スポーツ

「先生!クラスみんなで体育ができるといいのにね」

2016年03月04日(金) 伊藤数子,スポーツコミュニケーションズ

NPO法人STANDの活動は、ユニバーサル社会を目指しています。様々な場面でその話題に接するとき、子どもの頃からの環境がとても大切だなぁと感じます。近年、特別支援学校だけでなく普通学校に通う、障がいのある子どもの数が増えています。それぞれによい所があって、選択できることが重要なことなのです。

そんな中、気になることがでてきました。普通学校に通う子どもたちは、障がいの有無を超えて、みんなで一緒に学びます。ところが体育だけは、見学になってしまうことも少なくないのです。算数や理科・社会は、障がいに関係なく同じテーブルに着くことができますが、体育だけは同じスタートラインに立てないということになってしまいます。

これを繰り返すと、「障がいがあると体育ができない、スポーツができない」という固定概念を生んでしまいます。障がいのある子ども自身、周りの子どもたち、そして先生、保護者にも「そういうものだ」と刷り込まれてしまうのではないでしょうか。それはすなわち、障がい者を特別視するということです。
 
以前このコラム(第19回「工夫次第で“みんなで”スポーツができる!」)でハンドサッカーについてお伝えしました。これは普通学校ではなく、特別支援学校でのことです。クラスには様々な障がいのある友達がいます。みんな、できることとできないことが違うのです。

ある日、ひとりの男の子が言いました。「先生、体育の時間にクラスみんなでできるスポーツがあったらいいのにね」。その思いを実現するために先生たちが知恵を絞ったのがハンドサッカーだったのです。ハンドサッカーはクラスのみんなが、一緒に授業に取り組む体験、そこで生まれる工夫、障がいへの理解がとても大切だということを教えてくれます。

ベストセラー『五体不満足』の著者・乙武洋匡さんは、子どものころ“乙ちゃんルール”(「挑戦者たち」二宮清純の視点 第22回~未来を担う子どもたちへ~)というやり方でみんなと一緒にスポーツをしていたそうです。

例えば野球では、乙武さんが打席に立つ時は、打球が内野を超えたらホームランという変則ルールです。走塁は代走というかたちで、他の子に走ってもらいました。ルールを変えて、つくっていけば、みんなで一緒にスポーツができるのです。

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