社会保障・雇用・労働
現役東大生が書いた就活本が「断然ベスト」である理由
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自己分析などムダ。企業分析にこそカギがある

結論から先に言う。企業への就職を考える大学生は、是非、『進め!! 東大ブラック企業探偵団』を読んでほしい。大学生にとって、現存する「就活本」としては、この本が断然のベストだ。以下、そう思う背景を説明する。

筆者は、今年度まで6年間に亘って、獨協大学で週2コマ授業を担当していた。対象は、1年生から4年生までの学部生だ。教えていた内容は資産運用についてだが、学生には、授業2回に一度くらい、就職活動やビジネスパーソンとしての世渡りのコツなどを30分程度話すことにしていた。言うまでもないが、大多数の大学生にとって「就職」は最大の関心事であり、心配事だ。学生達は、筆者の話を熱心に聞いてくれた。

そもそも、自分が就職や転職で散々失敗し、世渡りも上手くないくせに、学生に教えを垂れるとはいい気なものだ、という読者諸賢のご批判は甘んじて受けよう。ごもっともであり、その通りだ。

しかし、日本の大学とは、大半の教師が誰の干渉も受けずに、自分の好きな話をする場なのである。サービス業としての大学教育の「品質管理」がどうあるべきかに関しては、別の機会に詳しく論じたいと思っているが、筆者が主に「就活(=就職活動)」について、学生に語っていたのは、以下のような内容だ。

「いいですか。企業の採用担当者は、面接を受けに来た学生が、どんな性格で何に興味があるかなどという学生の自分話には興味などありません。人材として、使えるか・使えないか、一緒に働きたいと思う人間か・否か。相手について興味があるのは、そこだけです。

部活やらサークル活動やら、イベントやら、ましてアルバイトなどで、どんな体験をしたかなどという話は、似たような話をたくさん聞いてすっかり聞き飽きているのでウンザリしています。心理テストみたいな自分探しや、子供の作文みたいな体験談を用意することは、全て無駄です。

面接は、人生相談の場ではありません。どうせ、企業のことなど知りもしない大学職員や、就活をビジネスにしている業者が、無意味な就職対策を考えているのでしょう。