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「東芝・巨額粉飾問題」ベテラン会計士が明かす監査の実態〜だから不祥事は繰り返す!
【PHOTO】gettyimages

誰も「信頼回復」をうたわない

東芝の巨額粉飾決算問題で、監査を担当していた新日本監査法人が行政処分を受けるなど、会計監査のあり方が大きく問われている。不祥事が繰り返されるたびに監査の見直しが行われてきたが、制度の不備が問題なのか。

日本公認会計士協会で副会長を務めたベテラン会計士の住田光生氏(76)は「われわれ会計士自身の問題だ」と、後輩を叱咤する。どういう事か。住田氏に聞いた。

――東芝問題が監査制度を根本から揺さぶっています。金融庁は「会計監査の在り方に関する懇談会」を設置して、監査制度の見直しなどを行う意向のようです。

住田 もちろん、制度に大きな欠陥がないのか、きちんと検証することは大事です。しかし、日本の監査制度自体は国際的にみても何ら遜色はなく、よくできた制度だと私は思います。にもかかわらず、粉飾事件が繰り返されるのは、結局は、われわれ会計士自身の問題です。会計士が深い反省に立ったうえで、信頼の回復を目指すことが不可欠だと思います。

日本公認会計士協会では今、会長選びが行われていますが、理事選挙の候補者たちの“公約”で、「信頼回復」を真正面から掲げた人はほとんどいません。会計士業務の多様性などを訴え、「あなたの仕事を増やします」といわんばかりの“公約”を掲げています。業界全体を揺るがす、あれだけの問題が起きたにもかかわらず、危機意識が根本的に欠如しているのです。

ーー会計士自身の問題とはどういう意味ですか。

住田 監査を担う会計士としての使命感の欠如です。会計士や弁護士は「士業」と言われますが、真の「サムライ」魂をどうやって蘇生させるかを考えなくてはなりません。また、会計士は「職業的懐疑心を持て」と言われるわけですが、これを堅持することも大切です。そのために何をやるか。

会計士としての教育をきちんとするしか手はないでしょう。会計教育というと新しい会計知識やテクニックを教えることに偏りがちです。特に「倫理」については、もっと教育時間を増やすべきです。

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