賢者の知恵
2016年03月03日(木) 丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレスが見た「破綻国家」ギリシャの現実〜難民の後を追って、裏路地を行くと…

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TBS系「クレイジージャーニー」(木曜夜11:53~)に出演し人気を博している丸山ゴンザレス氏。「ルーマニア・マンホールスラム」「フィリピン・墓場のスラム」に潜入した彼が今回向かった先は、財政破綻一歩寸前の状態に陥っているギリシャだ。

「ドイツへの玄関」と言われるギリシャには、現在大勢のシリア難民が押し寄せている。その状況を取材しようと現地へ飛んだが、そこで見たのは、哀しすぎるほどに寂れてしまった首都・アテネの姿だった。

「ドイツへの玄関」へと向かう

シリア難民が戦火を逃れてヨーロッパに押し寄せている。私がその状況を取材するために欧州を訪れたのは2015年12月のことだった。ジャーナリストとして、世界的に注目を集める難民問題を取材することに特に気合いが入っていた。

しかし、実際に現地を訪れると、それ以上に大きな問題が、ヨーロッパに横たわっていることを知ることになる。

それは、ギリシャの超絶な不景気と治安の悪化である。

原因ははっきりしている。2010年に経済危機を迎え、財政は破綻寸前。元来公務員が多く、老人は支給される年金だけで生きているような国である。そのうえ国の財政が破綻したのだから、混乱ぶりは推して知るべしである。

ドイツを目指す難民にとって、ギリシャはドイツへの「玄関」となる。そこで私はギリシャに入り、難民問題について取材を行うことにした。

ところが実際にギリシャ入りした後に「シリア難民についてどう思いますか?」と国民に問いかけると、「難民よりも経済を再建してほしい。そっちのほうが重要だろ」と返ってくる。

「難民が押し寄せたことで、治安に変化はありましたか?」と聞けば、「それよりもロマをなんとかしてほしい」と言われてしまった(欧州では、数百年前から世界各地を流浪してきたロマに対する差別的な意識がいまだに残っている)。

この国ではいま、一体なにが起きているのか。今回は破綻寸前国家・ギリシャの現実をお伝えしようと思う。

油だけのパスタ

冒頭でも触れたように、ギリシャ国民が関心をもっているのは難民よりも「経済」であった。私がこのことを意識したのは、難民たちが欧州へ向かうために待機していたバス停に行った時だった。

アテネ市内の「地下鉄ヴィクトリア駅」を出たところにある公園には多くの人が溜まっていた。ここは、観光地として有名な場所ではないが、マケドニアに向けて出発するバスの発着場になっていた。ここにいる人々はドイツを目指す難民たちである。

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