企業・経営
買収間際にまさかのブレーキ!
シャープとホンハイ「相互不信」はこうして最高潮に達した

残された時間はあと1ヵ月…
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残された時間は1ヵ月

土壇場で、シャープの身売り話が暗礁に乗り上げた。将来、負債として弁済義務を負うことになりかねない『偶発債務』が3000億円を超えることをシャープが明らかにしたため、買い手である台湾資本の鴻海(ホンハイ)精密工業が再査定に着手したというのだ。

加えて、シャープが要求した増資引き受けのデポジット、いわゆる保証金(1000億円)の支払いも、ホンハイのシャープ不信を煽ったとみられている。

事態は予断を許さない。想定以上にシャープが傷んでいるとホンハイが判断すれば、第3者割当増資を通じた買収価格の見直しや、買収そのものの白紙撤回に発展しかねない情勢なのである。

もともとシャープは自力で年度越えの資金を確保することが難しく、2月末までに身売り話を成約させる必要があるとされていた。シャープに残された時間は1ヵ月を切っており、同社の経営は正念場に直面した格好だ。

昨年来、何度も交渉途上の話を最終合意のように報じて、誤報を連発してきたマスメディアには、もはや取り繕いようもなく、取り上げたくない悪夢のような話だろう。シャープは先週末から今週初にかけて、再び自社の身売り話の混迷を自ら裏付ける発表を行った。

最初は先週金曜日(2月26日)付の「当社と鴻海精密工業との最終契約に関する報道について」というもので、ホンハイが最終契約を保留しており、シャープの潜在的な債務(偶発債務)が3000億円規模と報じられていることについて、「当社の発表に基づくものではありません」としながら、事実関係を否定しなかったリリースだ。

続いて、シャープは今週月曜日(2月29日)付で「当社と鴻海精密工業との協議に関する報道について」というタイトルのリリースを公表。

「日本経済新聞等において、『シャープと鴻海精密工業は26日、買収交渉の期限を当初の今月29日から延長し、3月7日の契約を目指すことで合意した』等の報道がありましたが、これは当社の発表に基づくものではありません」としたのだ。

咀嚼すれば、ホンハイがリークしているのならば、事実関係を否定する気はないが、シャープとしては何も言っていないということになる。身売り先であり、交渉相手であるホンハイに対する信頼感の無さを、これほど露骨に表明するのは異常な事態である。