「東京23区格差」のウラ側 〜足立・葛飾・江戸川「下町三兄弟」の幸せな毎日カネはないけど人情がある

2016年03月06日(日) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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地方に住む人には、東京、しかも23区内ならばどこもそう大差ないのではないか、と思う人もきっと少なくないだろう。しかし都民の間では、23区には歴然たる格差がある。

この「下町三兄弟」は、他の区から「あの辺はもはや千葉でしょ」と、東京扱いしてもらえないことすら日常茶飯事の、哀しい地域なのだ。

特に六本木、麻布といった成金タウンを擁する港区や、ベンツやポルシェばかり走り回る目黒区などの住民は、「北千住なんか、昭和のヤンキーの巣窟」「葛飾? 寅さん以外に何かある?」「江戸川って、どうやったら行けるの?」と、好き放題言っている。

事実、葛飾区は地下鉄が通っていない「陸の孤島」といまだに言われるし、今どきどの県にもあるスターバックスコーヒーは、江戸川区にはなぜか出店していない。

呑んで、寝ちまう

今回、本誌記者はこれら3つの区を自らの足で歩いて、住民たちの話を聞いた。はたして足立・葛飾・江戸川に住む人々は、本当に格差の下側の世界で、不遇をかこって暮らしているのだろうか——。

まずは、最も気になるのが台所事情。'12年度の総務省の調べによると、東京都内でトップの港区民の年間平均所得が900万円を超えているのに対し、最下位の足立区は323万円と、ほぼ3分の1。23区の西側を代表する住宅街の杉並や世田谷と比べても、150万円ほど差をつけられている。

ちなみに、葛飾区民の平均所得は下から2番目の330万円、江戸川区が下から5番目の347万円である。お世辞にも、「カネ持ちエリア」とは言えない。

こうした懐具合を反映して、当然のことながら物価は安い。冒頭に紹介した婦人服店の「コート1着3000円」も、ユニクロなんて目じゃないほどの安さだ。足立区北千住の街角にいた、50代男性が言う。

「あまり知られていませんが、イトーヨーカドーの1号店はこの近くにある北千住店なんですよ。もっとも、足立区民にはイトーヨーカドーよりも、その廉価版の店舗にあたる『ザ・プライス』のほうが親しまれています。1号店ですら、何年か前に『ザ・プライス』に衣替えしましたからね」

実際に『ザ・プライス』北千住店に足を運んでみると、コシヒカリ5㎏が1000円強、鶏もも肉100gが87円、牛乳1Lパック157円などなど、都内としては確かにかなり安い。

「他にも足立には、竹ノ塚駅の近くにある『さんよう』や『おっ母さん』など、ご当地の激安スーパーがいっぱいありますよ」(前出・50代男性)

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