世界経済 中国
中国経済「ハードランディング」は本当か~現状は80年代前半の日本にそっくり
〔PHOTO〕gettyimages

人民元切り上げの影響

今年も昨年に続き、世界経済の最大の波乱要因の一つは、中国経済の「ハードランディング」懸念のようだ。

今年1月に開かれたダボス会議の席上、著名投資家のジョージ・ソロス氏も、中国経済のハードランディングの可能性を語り、かつ、周辺の新興国経済もその影響を大きく受ける懸念を指摘した。

ソロス氏の中国経済に対する悲観的な見通しは、世界の投資家に衝撃を与えた。だが、中国当局は、その見方を明確に否定するとともに、春節明けの2月15日に、事実上の人民元レート引き上げ措置を実施した。

中国経済は、金融緩和が必要な局面にあるが、人民元の切り上げはそれとは真逆の政策である。

これは普通に考えれば、中国の実体経済にとってはネガティブに効くおそれがあるが、中国当局は、中国経済に深刻な問題がないこと、及び、中国経済をソフトランディングさせていくという強い決意を明確に示すことで、資本流出の拡大防止と人民元安懸念の払拭を試みたと推測される。

例えば、中国株が上昇に転じるようであれば、今回の措置は、最近の経済政策の議論で重要な意味を持つ「期待の誘導」という観点からは、ある程度成功したと解釈することも可能である。

実際、春節明けの15日から17日終了時点までで、中国株は+6.6%の上昇となっており、短期的に中国当局はマーケットの「期待の誘導」に成功しているようだ。

だが、このまますんなりと中国経済の不安が終息するとも思えない。今後は、じわじわと効いてくると思われる人民元切り上げのマイナスの影響を、マーケットがどう解釈するかであろう。

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