公共の電波で「家系」を探るNHKの時代錯誤
〜『ファミリーヒストリー』はマズイのではないか

『ファミリーヒストリー』のホームページより

「家系」の番組化は是か非か

NHKのドキュメンタリー番組『ファミリーヒストリー』(金曜午後10時)をご存じだろうか。著名人の家族の歴史を辿る番組である。分かりやすく言うと、著名人の「家系」を画像化、映像化した番組だ。

テレビはさまざまな番組を放送する。誰にでも好き嫌いはあるだろうから、いろいろな番組が放送されるのは選択肢の多様化で、良いことだと思う。嫌いな番組は見なければ良い。公序良俗に反したり、内容が虚偽だったりしない限り、大抵の番組は許容されるべきだ。

いちいちクレームを付けていたら、局側は萎縮し、当たり障りのない番組だらけになってしまう。とりわけ、ドラマがリアリティーを追求できなくなったら、荒唐無稽なお伽話ばかりになる。

ただし、『ファミリーヒストリー』には前々から複数の問題点を感じていた。このような番組をテレビが放送して良いのだろうか? 一見、良質のドキュメンタリー風だが、そもそもコンセプト自体に問題を感じる。

その問題とは、「家系」を番組化することだ。日本の因習である「血の重視」の風潮を煽り、それによって不当な差別が助長されることにもつながりかねない。いくら面白いと思う視聴者が多かろうが、それは関係ない。

2012年、『週刊朝日』が橋下徹前大阪市長(46)の「家系」の報道を図ったところ、世間から袋叩きに遭った。この記事も、面白いと思う読者が存在しようが、報道を正当化する理由にはならない。本人の人品とは無関係な「家系」を持ち出したこと自体、マスコミとして恥ずべき愚行だった。

『ファミリーヒストリー』が「家系」を前面に押し出すことも現代社会の精神に反するはず。テレビがやってはいけないことだと思う。