賢者の知恵
2016年02月27日(土) 週刊現代

無骨なゴルファー・松山英樹の「技術と成長」

笑顔なし、華なし、愛嬌なし、でも応援したくなる

週刊現代
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大ぶりしない「大人のプレー」を覚えた 〔PHOTO〕gettyimages

どんなに声援を送っても、この男がニコリと応えてくれることはない。だが、ふてぶてしいからこそ、強いのである。イマドキの若者とは思えない、無骨なゴルファー・松山英樹は、まだまだ強くなる。

リップサービスはしない

「今大会も、松山は終始愛想なしでした。試合前の取材では、何を聞いても『ショットの調子が悪い』と不機嫌な顔で繰り返すばかり。日本のゴルフファンに向けて、『調子は良くないけど精一杯頑張ります』とでも言っておけばいいのに、その手のリップサービスを彼は絶対にしないんです。

優勝後のインタビューにしてもそうです。優勝を争ったリッキー・ファウラーがプレーオフで池に入れ、自滅したからといって、『負けたみたいな勝ち方だった』と、素直に喜びを表すことはありませんでした」(米国ツアー関係者)

2月7日、松山英樹(23歳)が米国アリゾナ州で開催されたフェニックスオープンで、今季初優勝を飾った。米国ツアー2勝目は、丸山茂樹に続く、日本人二人目の快挙だ。

記者からどう見られるかはもちろん、ゴルフファンの眼差しすら一切気にしない、相変わらずのふてぶてしさ。米国ツアーでの勝利は約2年ぶりだったが、自分のプレー以外にはまったく関心を払わない一本気な性格は、何も変わっていなかった。

しかし、そのゴルフの質が向上しているのは確かだ。いったい、何が松山を成長させたのか。

松山の恩師である東北福祉大ゴルフ部監督の阿部靖彦氏はこう明かす。

「いちばんは、勝てなかった悔しさから得た経験でしょう。一昨年の6月に米ツアーで初優勝した直後は、これからどんどん勝てるはずだという思いが、彼の中にあったはず。しかし昨年は、一歩及ばず、惜しくも優勝を逃す大会が続きました。その苦い経験から、世界で勝つのは容易ではないと知ったのです。

だからこそ、フェニックスオープンでも驚異的な粘りを見せてファウラーに食らいつけた。たとえ相手がトッププロの一人であるファウラーであっても、諦めなければチャンスがあるとわかっていたんでしょう。プレーオフでは負けなしというこれまでの戦績からもわかるとおり、もともと勝負強さはありましたが、その凄みがさらに増していました」

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