スポーツ

お台場ビーチを自転車で走る
〜「担ぐか、漕ぐか」それが問題だ。

シクロクロス東京レポート

2016年02月22日(月) スポーツコミュニケーションズ,白戸太朗
砂浜を乗るのは難しく、ほとんどの選手が担いでいく

自転車の世界でこのところ急速に盛り上がっているのが「シクロクロス」という種目。これは不整地を自転車で走る競技で、その点はMTBと似ている。

しかし、舗装された道も走ったり、自転車を担いだりすることもあり、使う機材はロードレーサーに近い。つまりロードレースとMTBの合体型と言える。

実は、その歴史はMTBよりもかなり古く、むしろシクロクロスに刺激されてMTBが生まれたというのが適当だが、日本では日の目を浴びることはなかった。そんな「シクロクロス」が、毎年東京の一大観光地であるお台場で開催されているのをご存知だろうか?

元々、フランスやベルギーで自転車選手の冬場の練習として生まれたこの競技は、冬に使われなくなった畑や、牧草地で行われていた。だから現在も山の中というより、郊外の空き地のような場所で周回コースを作り開催されることが多い。

それ故にMTBほど広範囲な場所は必要ないのだが、それでも1周2~3km程度のコースを用意しなければならないのでお台場で開催するというのは難しい。それを敢えて開催し、今年で5年目を迎えた。

コース上には障害物が設けられている

「本場の欧州では熱狂的な人気、そしてアメリカでも盛り上がっているシクロクロスをなんとか日本でも盛り上げたい」

そんな思いを持っていたのが大会主催者の棈木亮二氏。当時、ラスベガスで競技としてだけではなく、ショー的な要素も盛り込んで盛り上がった大会を見た棈木氏は“これこそが日本に必要だ”と思ったという。

それまでも日本でシクロクロス自体は開催されていたが、人里離れていた場所が多く、一部の愛好者が集まり行っているというものであった。当然知り合い以外に観戦者もいないし、参加者もそんなものだと思っていた。これでは一般に広がるわけもないので、人目につくところでの開催が必要であるという発想になったのだ。

紆余曲折あり、開催許可は取り付けても「お台場海浜公園」という限られた場所で、ちゃんとした競技が成立するのか。苦労に苦労が重ねられ、さらに年々改良を加えてコースができ上がった。地形上大きなアップダウンがないとか、1周の距離が長くとれないなどの弱点はあるものの、「東京シクロクロスのコース」として認識されるまでになった。

それとともに大変なのは、一般客との交通整理。場所柄多くの人が行き交う中での競技。参加者と観客のコントロールも大変で、最終的には人海戦術となるのだ。あちこちに人を配置し、整理、警備するのが必須となり、人はコストにつながり、設営物と同時に大会収支を苦しめる原因にもなる。

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