東大「最強ゼミ」が明かす「いい会社・悪い会社」
~ブラック企業を摘発せよ!

「このままでは、日本の企業はぜんぶブラック企業になるかもしれないわ」

「な、なんだってー!?」

「これを見れば一目瞭然」

東大ブラック企業探偵団の団長・東大法学部3年のハルキ、そして経済学部のマオ、農学部のカンタが隠れたブラック企業を摘発、眠れるホワイト企業を見つけ出す……。

東大ブラック企業探偵団とは、実在する「Tゼミ」(瀧本哲史京大客員准教授が顧問)をモデルにした、東大本郷キャンパスに部室をおく「秘密結社」。「Tゼミ」は、公開情報に基づく企業分析と政策分析を通じ、過酷な現代社会を生き抜くための意思決定方法を学び実践するゼミ。東京と京都を拠点にさまざまな大学の学生が参加している。投資コンテスト「バークレイズ大学生アナリストカップ」では2年連続優勝に輝いた。

日本最強の「Tゼミ」企業分析ノートのノベライズが明かす、幸せに働ける「いい会社」「悪い会社」とは? 問題企業、業界を徹底分析して実態に迫る!

プロローグ

昇ったばかりの朝陽が、繁華街のはずれに立つテナントビルを照らしはじめた。その4階へと続く外階段を上り、さきほどまで従業員が後片付けの仕事に追われていた居酒屋「ワイワイ」の非常口から入っていく女の影があった。

女の名前は羽入マオ。1週間前からここでバイトを始めた東大生だ。あたりに注意を払いながら店内に入ったマオは、レジの下にある、売上管理用の書類や勤怠表の束が入った引き出しを開けた。

書類の束を脇に寄せると、引き出しの底の奥に、指が入るくらいの穴が開いている。そこを引っ張ると底板は持ち上がり、下から1冊の分厚い日誌が現れた。表紙には「成長管理日誌」の文字。

(とうとう、見つけたわ……)

表紙をめくって、マオは背筋が凍る思いがした。