賢者の知恵
2016年02月19日(金) 岡田真理

元「闘うフリーター」、日本の格闘技の未来を語る【所英男・特別インタビュー】

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(C)RIZIN FF/Sachiko Hotaka

劇的な腕ひしぎ

日本が格闘技ブームに沸いた2000年代、“闘うフリーター”として人気を博した総合格闘家・所英男。年末の格闘技イベントで26歳と若く勢いにのる才賀紀左衛門を見事に破った男は、これからどこに行こうとしているのか。38歳になった所の現在と、格闘技界の未来を追った。

2015年12月29日、“格闘技復活”を銘打った「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015」が幕を開けた。年末に格闘技イベントがテレビの地上波で放送されたのは5年ぶり。桜庭和志vs青木真也の対戦やエメリヤーエンコ・ヒョードルの復活が注目されたこの大会だが、年末のお祭りらしく“華やかさ”で観客を魅了した試合があった。所英男vs才賀紀左衛門の対戦だ。

序盤、所はタックルを切られ、テイクダウンに難儀。その間に才賀からショートのフックを見舞われてしまう。なんとかテイクダウンに持ち込むが、バックからのスリーパー、腕十字とも抜けられた。しかし、スライディングして足関節を狙った後、再びバックからのスリーパーと腕十字を狙い、1ラウンド5分16秒、腕ひしぎ十字固めで所が勝利した。

「試合が開始した直後に思い切ってガッと突っ込んで行こうと思ったら、才賀選手が手を合わせてきて。宜しくお願いします、っていう合図です。あれはいわば紳士協定のようなものでやってもやらなくてもいいんですけど、それで僕の勢いが止まっちゃって(笑)。序盤で(フックを)もらっちゃいました」

対戦した才賀のことを、所は「エネルギッシュだった。ギラギラ感があって、目が輝いていた」と振り返る。

「才賀選手は若くて人気もあります。それに、強い。対戦が決まった時は、華もあるしきっといい試合になるだろうな、と。試合後にわざわざ控室まで挨拶に来てくれたんですよ。本当に礼儀正しくて、こんな好青年なら、そりゃあびる優と結婚できるわって思いました(笑)」

所が格闘技に興味を持ったのは、格闘王・前田日明率いる総合格闘技団体「リングス」のファンだった兄の影響だった。子供の頃からプロレスを見て育ったが、高校までは野球部に所属。格闘技を始めたのは21歳の頃だった。

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