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酔って暴れて万事休す…みずほ銀行「51歳・東大卒・頭取候補」が何もかもを失った瞬間
同行は株主総会で「不祥事が多い」と言われたことも〔PHOTO〕gettyimages

7000円を踏み倒した

1月28日深夜11時—。JR西荻窪駅と京王井の頭線三鷹台駅とのちょうど中間辺り、杉並区松庵の井の頭通り沿いにパトカーが2台、タクシーが1台停まっていた。目撃者が語る。

「そろそろ寝ようとしていたときにパトカーの赤色灯に気づいたんです。窓を開けると、ベストを着たタクシー運転手が首のあたりをさすっていました。車通りも少なく、静かな時間帯で、ボソボソ言う話し声しか聞こえませんでした。事故にしては相手の車が見えない。パトカーが停まっていたのは、時間にして30分くらいでしょうか。

翌日、テレビのニュースを見て事情がわかりました。前日のタクシーは乗客に運賃を踏み倒されて、それで警察が出動していたんですね」

逮捕されたのは、みずほ銀行公共法人部長、小山田泰幸容疑者(51歳)。泥酔してタクシーの運転手に暴行を加え、料金約7000円を支払わずに立ち去ったというのが、その容疑だ。

運転手にケガはなかったが、通報を受けて駆けつけた警視庁高井戸署員が近くの自宅に戻っていた小山田容疑者を強盗容疑で逮捕した。小山田容疑者は「ふざけるなと言っただけで、殴ったりしていない」と容疑を否認しているという。

小山田容疑者は東京大学法学部卒業後、'87年に第一勧業銀行(現・みずほ銀行)に入行。

「法人企画部や人事部、業務企画室を渡り歩き、姫路支店長やローン営業推進部長などを歴任した優秀な銀行マンです。一勧だけで同期が約300人、後に合併した富士銀行や日本興業銀行を合わせると同期は1000人近くいます。その中で部長にまで出世したのですから、超エリートと言っていいでしょう。

公共法人部は東京・大手町の本店にあり、地公体(地方公共団体)や官公庁、その外郭団体や財団法人などが顧客となる本店内でも中枢部署で、数十人の行員が働いています。小山田氏はその上に立つ重要なポストに就いていた。成果を上げれば、いずれ執行役員や取締役、タイミング次第では頭取だって夢ではなかったはずです」(メガバンク関係者)

酔って暴れて7000円の支払いを拒んだだけで、小山田容疑者はそのエリート人生を棒に振った—。みずほ銀行はこの不祥事に迅速に対処し、小山田容疑者は翌29日付で公共法人部長の職を解かれている。

「本人は暴行の事実を認めていないとはいえ、料金を支払わなかったのは事実です。顧客への説明責任など、対外的な影響を配慮して、とりあえず異動にしたのでしょう。

今後の運転手側との話し合い次第ですが、示談で終われば、懲戒解雇にはならないかもしれません。ただ、どこか出向先に飛ばされて、当然、出世の道は断たれます。泥酔の代償は大きかったですね」(前出とは別のメガバンク関係者)

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