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なぜ「世界経済低迷」の不安が高まっているのか? 得体の知れない株安の理由
【PHOTO】gettyimages

ドイツ銀行問題は、世界経済低迷への序曲

原油価格の下落に振り回されリスク回避的に動いてきた金融市場に、もう一つ無視できないリスク要因が浮上した。それは欧州金融機関の経営不安の懸念だ。

2月8日には、以前から業績悪化が懸念されていた、独金融大手であるドイツ銀行の利払い懸念が急上昇した。

これを受けて、欧州の銀行株が大きく売り込まれた。そうした流れは米国やわが国の株式市場にも伝播し、株価が大きく下落することになった。それに伴い、投資家のリスクオフが進み、安全通貨と言われる円はドルに対して一時110.99円まで上昇した。

この動きは、一金融機関の信用問題ではない。一部の金融機関が、今でもバブル崩壊の後始末=不良債権処理が終了していないことを示している。世界経済の減速リスクが高まっていることには注意が必要だ。

世界的な株価下落等の引き金は、「ドイツ銀行のCoco債(偶発転換社債)の利払いに懸念あり」との観測だった。Coco債は、銀行の資本が棄損した場合に強制的に株式に転換されるなどして損失を吸収するよう設計された債券だ。投資家は過度にドイツ銀行の資本の健全性に不安を抱いたのかもしれない。

しかし、利払いへの懸念は問題の一端に過ぎない。ドイツ銀行以外にもHSBC等、欧州の金融機関の株価は全般的に軟調だ。欧州金融機関の株価下落、信用リスクの上昇は、世界経済が陥りつつある低迷への序曲かもしれない。

ユーロ圏では財政問題後の緊縮策を受けて、景気回復の足取りは重い。リーマンショック後、世界的に金融機関のバランスシート調整が進んだが、中国の減速などを受けて、資金需要は低迷している。そのため、大手金融機関を中心に、再度、過剰な債務、投資、人員のリストラが必要になるだろう。

金融機関の経営が悪化すれば、お金の流れが滞る可能性がある。これが信用収縮につながり、景気は悪化する恐れがある。すでにドイツ銀行は21015、2016年の無配、1.5万人もの人員削減を決めた。これは、同行がリスクをとって投資や融資を増やす体力を失いつつあることを意味する。それは信用収縮を引き起こすトリガーとも考えられる。

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