防衛・安全保障
自衛隊「海外派遣」、私たちが刷り込まれてきた二つのウソ〜ゼロからわかるPKOの真実
20年以上ずっと憲法違反
伊勢崎 賢治 プロフィール

自衛隊はまぎれもなく「PKFの工兵部隊」として活動してきた

次にPKF(国連平和維持"軍")である。

一つのPKOを、現場の人間は「ミッション」と呼ぶ。「ミッション・インポシブル」のミッションの感覚である。PKOミッションは、軍事部門であるPKFを中心に、大きく言って4つの部門からなる。

①PKF(国連平和維持軍)
②国連軍事監視団
③国連文民警察
④民生部門

①PKFは、文字通り「部隊」である。主体は戦闘を任務とする歩兵部隊。装甲車や戦車の機甲部隊がつくこともある。くわえて、どんなPKOミッションにも必ずある工兵部隊。こちらは軍事作戦に必須の戦略道路網、通信等のインフラの構築、維持が任務になる。

PKOは軍事作戦であるから、PKFは、他の部門と比しても、人数的に突出して多い。1万人を超え、派遣国も20を超えるものもあり、安保理が任命する最高司令官の下、一つの統合司令部の”指揮下”に置かれるが、まあ、寄り合い所帯の多国籍軍である。

はっきり言おう。歴代の自衛隊の施設部隊は、PKFの工兵部隊であり、現場では、ずっとその扱いであった

じゃなかったら、①~④のどこに入れ込むのか。自衛隊だけ、単独行動の特殊ゲリラ部隊か。

同じPKOミッションの中でも、①のPKFと②③④には決定的な違いがある。PKFの単位は「国」。それ以外の部門は「個人」。

当時の筆者のような④民生部門は当たり前だが、現役の軍人、警察官で構成される②国連軍事監視団、③国連文民警察は、「国連職員」として扱われる。つまり、個人として国連のペイロール(給与簿)に載り、給料が支払われる。

これに対して①PKFは、単なる部隊の「数」として、国連が、各派遣国に、償還金を支払う。発展途上国にとっては、PKFは重要な外貨稼ぎの機会を提供してきた。発展途上国ではないが、日本政府にも、この国連償還金が支払われてきた。