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年間なんと800万トン!
日本はいつから「食品過剰廃棄」社会になったのか

「モッタイナイ」はどこへ?
週刊現代 プロフィール
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捨てられたはずの食品を売っていた岡田氏らの手口は、金儲けの手段としては許されるものではなく、批判されて当然だろう。

だが一方で、冒頭でも紹介したように、日々捨てられている食品の多くが、食べても問題ないものであることも事実だ。

現在、全国で廃棄される「まだ食べられる」食品の量は年間800万トン。東京ドーム6杯半といえば、いかに膨大か伝わるだろうか。これは、日本全国の米の年間生産量ともほぼ同じである。

おそらく、ココイチが異物混入の疑いで廃棄を決めた約4万枚、5・6トンのカツの中にも、食べられるものはあっただろう。

捨てないと叩かれるから

マーケッターでビジネスラボ代表の大西宏氏は、今回の事件で、世間の声に違和感を抱いたという。

「食品の横流しが違法なのはその通りです。しかし、産廃業者が横流しを長年の生業にできるほど、日々大量の『まだ食べられる食品』が廃棄されている事実がある。ある意味では、この現状を何とも思わないことのほうが、よほど病的だと思います。

あるワイドショーでは、この横流し問題を報じた後、『ピザの耳を食べるか食べないか』というテーマで出演者が議論を始め、中には平気で『食べずに捨てる』と語る人もいました。その感覚のほうがおかしいのではないか」

一昨年12月、群馬県のまるか食品が製造するカップ焼きそば「ぺヤングソースやきそば」にゴキブリが混入した事件では、4万6000個の商品を回収したまるか食品に対して「そこまでしなくても」「過剰反応だ」との声も少なくなかった。

だが、今回の事件では「もったいない」「業者だけが悪と言えるのか」といった意見を述べた人に対してまで、非難が浴びせられている。

たとえば、「ココイチは被害者だが、社会的責任は重い」と述べた愛知県の大村秀章知事や、フジテレビ系『とくダネ!』で「シリアでは餓死している子どもたちがいる一方で、廃棄されている食品もある」と発言したキャスターの小倉智昭氏。ネット上で、彼らに寄せられた声は——。

〈もったいないと思うなら、お前らが全部食って処分しろよ〉

〈悪徳業者をかばうって、頭おかしいのか?〉

こうした匿名の意見が、「消費者が『安心』できない食品は、全て捨てて当然」という風潮をますます加速させる。

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