「核燃料サイクル破綻論」は科学的に正しいのだろうか?

盛んに破綻論が報じられる理由

関西電力は今月1日、再稼働した高浜原子力発電所3号機(福井県高浜町)で発電を開始したと発表したhttp://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/0201_2j.html)。原子力規制委員会の最終検査を経た後、今月下旬に営業運転に移行する。また、今月下旬には同4号機も再稼働する予定だ。

高浜3号機では、使用済燃料を「再処理」することによって製造したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料をリサイクル燃料として利用する「プルサーマル発電」が行われてきた。今月から来月にかけての高浜3・4号機の発電再開により、原子力規制委員会による新規制基準の施行後初めて、日本でプルサーマル発電が再開される。ウラン資源の有効利用の観点から重要とされている「核燃料サイクル」が再び動き出すことになるわけだ。

ところが最近、政府が長年推進してきた核燃料サイクルが大きく揺らいでいると、盛んに報じられている。

核燃料サイクルには、大きく2つの柱がある。軽水炉(既設の原子力発電所の原子炉)でMOX燃料を利用する「軽水炉サイクル」と、高速増殖炉(発電しながら同時に消費した燃料以上の燃料を生産できる原子炉)でMOX燃料を利用する「高速炉増殖炉サイクル」である〔資料1〕。

このうち、高速増殖炉の一つである「もんじゅ」(福井県敦賀市)が昨年11月13日、原子力規制委から事業主体変更に係る勧告を受けて存廃問題が急浮上していることから、もう一つの柱である軽水炉サイクルも引っ括めて、核燃料サイクル全体が危うい!といった前のめりの論調、いわゆる“核燃料サイクル破綻論”が多く出されてきている。

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