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「アベノミクスの生命線」に危機到来? 高まる円高圧力に注視せよ
【PHOTO】gettyimages

投資家がドル売りに転じた理由

足元の円高・株価下落を受けて、はやくも日銀の次の追加緩和に対する観測が高まっている。ドル・円、日経平均株価は、日銀のマイナス金利導入前の水準を下回ってしまった。マイナス金利導入の効果が剥落しているということだ。

為替市場の注目は、すでに日銀のマイナス金利導入から米国の景気の下振れリスクに移っている。わが国では経常収支の黒字が蓄積されており、投資行動、ドル・円の需給の両面から円は買われやすくなっている。アベノミクスの生命線とも言える円安傾向に変化が出ていることは間違いない。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータを見ると、昨年12月以降、ヘッジファンドなどの投機筋は円の買いを進めてきた。この動きの発端は、米国経済の下振れリスクが意識されるようになったことだ。具体的には、ISM(全米購買部協会)の製造業景気指数が拡大と後退の境目である50を下回り始めたことがきっかけになった。

2月に入ると、さらに“ドル売り”の圧力が急速に高まった。特に2月3日、経済指標の悪化や、NY連銀のダドリー総裁が金融市場の混乱やドル高への懸念を示したことを受けて、ドルは円などの主要通貨に対して大きく下落した。

景気が堅調に推移している場合、米国はドルの上昇に対して寛大な考えを示すことが多い。しかし、企業業績が頭打ちになり、経済指標も弱含むようになると、米国政府のスタンスは一変する。ダドリー総裁の発言の裏には、景気の先行きに不透明感が高まる中、過度なドル高が米国経済の重石になるという懸念があると見られる。

そして昨年の年末にかけて、ヘッジファンドなどの一部の投資家は、米国経済の先行き懸念や利上げ観測の後退を見込んでドル売りに転じた。それが足元でのドル安・円高、新興国通貨の反発という相場の流れを作り出している。

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