賢者の知恵
2016年02月07日(日) 原田宏二

DNA鑑定捜査は法律的にグレー!? 
警察OBが明かす、危険な「警察捜査の正体」

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[Photo]iStock

2012年に鹿児島市内で起きた強姦事件。逮捕された男性(23)の無罪が1月26日に確定した。DNA型鑑定に頼った警察の捜査ミスが明らかになったのだ。この「無罪判決」は、いまの警察の犯罪捜査がいかに危ない方向に向かっているかを、如実に示している。

近年、警察庁は、科学技術やデジタル技術の進展を犯罪捜査に積極的に取り入れているが、実はそこには法律的に様々な問題がある。憲法違反的な犯罪捜査、法的にグレーゾーン、違法スレスレの捜査によって、事件解決に至っている例が目につく。

筆者は北海道警で30年以上犯罪捜査に携わり、釧路方面本部長で退官した警察OBである。警察の体質をよく知っているので、危険な時代になったものだと、感じることが多い。まず、この鹿児島の「冤罪事件」について問題点を指摘しよう。

DNA鑑定ミスで無罪確定

鹿児島の事件で無罪となった男性は、女性に性的暴行を加えたとして強姦容疑で、警察に逮捕された。一審では懲役4年。

1月12日、福岡高裁宮崎支部での控訴審判決で、岡田信裁判長は「女性から検出された体液を改めてDNA鑑定した結果、精子は別人のもので、強姦の事実を認定するに足る証拠はない」と、一審案決を棄却、無罪判決を下した。

裁判長は、鹿児島県警の鑑定について「鑑定技術が著しく拙劣で不適切な操作をした結果、DNAが摘出できなくなった可能性やDNA型が検出されたにもかかわらず被告と整合しなかったことから、事実でない報告をした可能性すら否定できない」と指摘している。福岡高検も1月26日、上告しないことを明らかにし、男性の無罪が確定したのだ。

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