金融・投資・マーケット
8兆円の大損失に反省ナシ!?
年金運用組織が「さらなる危険な一手」を画策中

安倍官邸も株価底上げのために後押し
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「8兆円がパー」なのに…

年明けからの大幅な株価下落で、年金運用のあり方に関心が高まっている。特に、国民の“虎の子”の資産135兆円を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式運用で大きな損失を出したことをきっかけに、安倍晋三内閣による年金資産の「株式シフト」への批判が強まっている。

きっかけはGPIFの昨年7-9月期の運用成績が7兆8899億円のマイナスになったこと。総資産の5.6%が一気に目減りした。6月末には日経平均株価が2万235円だったものが、9月末には1万7388円と14%も下落したことが主因。メディアには「わずか3ヵ月で8兆円の損失」「年金運用失敗」「8兆円がパー」といった刺激的な見出しが躍った。

1月から始まった国会論戦でも、野党議員を中心に政府の責任を追及する声が上がった。追い打ちをかけるように年初から株価が大幅に下落したことで、年金資産がさらに目減りしたと見られることから、批判のボルテージは上がっている。

そんな逆風の中で、さぞかしGPIFは意気消沈しているのかと思いきや、どうも話は逆らしい。GPIF自らが株式を直接取得するインハウス運用(自前運用)の解禁に躍起になっているのだ。

現在、GPIFが株式を運用する場合、外部の金融機関に委託することになっており、GPIFが直接株式を取得することはできない。これを見直して、自らが直接株式を売買できるようにしようというのである。

GPIFのあり方を議論する社会保障審議会年金部会の1月12日の会合には、GPIFの最高投資責任者(CIO)である水野弘道理事が自らが乗り込んで、インハウス運用解禁を強く迫った。インハウス運用が可能になれば、この水野氏の責任で株式を直接売買することになる。