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中国経済の急減速に、原油安…
世界経済「同時株安」の正しい読み方

下げて上がって下げて下がる
中国の失速ぶりに、黒田日銀総裁もお手上げ〔PHOTO〕gettyimages

3兆円がふっとぶ

「中国経済の急減速は、爆買い需要をあてにしてきたインバウンド業界はもちろんのこと、他の様々な日本企業、そして世界経済全体に大きな重しになっています」

こう語るのはS&Sインベストメントの岡村聡代表。世界経済が中国に振り回されている。

「年初来の金融市場の混乱の主因は、やはり中国。たとえば、1月4日に過度な株価の崩落を防ぐために、上海市場でサーキットブレーカーが発動しました。これは市場が7%以上下落したら、取引を停止するという制度。それがかえって市場の不安を煽り、初日から下落が止まらなくなった。

中国の市場管理能力の甘さに愛想をつかせた機関投資家たちは、資金をどんどん引き上げています」(岡村氏)

その結果、中国の株安・元安が進み、爆買い需要が収縮しつつある。日本総研の副理事長・湯元健治氏は、元安の進行が日本経済に与える影響は非常に大きなものがあると分析する。

「中国人が日本で爆買い消費する額は、昨年1年間で3兆円を突破しました。この調子でいけば今年は4兆円だという見方もあったのですが、ここに来て風向きが変わってきた。

中国人観光客によって日本のGDPは0.3~0.4%くらい押し上げられていると思われますが、その分が無くなってしまうと、GDPの実質成長率('15年度は1.2%程度)は1%を切ってしまうかもしれません」

そうなると、日銀の黒田東彦総裁が掲げてきた2%の物価上昇目標は、ますます実現性のうすい「画餅」になる。

なんとしてもアベノミクスを成功させるため、政府は今年度の補正予算を総額で3兆3000億円組んでいる。だが、中国人のインバウンド消費が激減すれば、補正予算の効果はすべてチャラになってしまうのだ。

株式市場の反応は早い。

昨夏より中国人観光客をあてにしたインバウンド関連銘柄は大きく値を落としている。例えば、観光客の爆買いで潤ってきたラオックス。昨年9月には410円をつけていた株価が、今年1月には半値以下の160円台まで下げた。

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