衝撃告白「安倍政権は、拉致被害者を見殺しにしようとしている」

週刊現代 プロフィール

―1月12日の衆議院予算委員会で、民主党の緒方林太郎議員が本書を取り上げて、「安倍首相は拉致問題を利用したのか?」と質問。すると安倍首相は、「私の言っていることが嘘なら国会議員のバッジを外す」と激昂しました。また、1月19日には日本のこころを大切にする党の中山恭子代表が、「この本は北朝鮮のある種の工作活動の一環である」と述べました。

こうしたことには、私も憤りを感じざるを得ません。私が本に書いたことは、嘘でも誇張でもないからです。

中山氏は'02年9月27日に、私たち家族会のもとに挨拶に来ました。拉致被害者・家族担当の内閣官房参与に任命されたのです。物腰は皇室関係の高貴な人のようでしたが、薫たち5人の帰国はあくまでも「一時帰国」だと告げたり、ロジスティック担当(調整役)が苦手など、頼りなさそうな印象を受けました。

中山氏は'07年に参議院選挙に出馬した際には、選挙用のパンフレットに、薫と写っている、羽田空港で撮った写真を使わせてほしいと言ってきた。「また政治利用か」と、私は呆れてモノが言えませんでした。

―拉致問題は、今後どうやって解決していったらよいと思いますか?

まず、政府が認定した17人の拉致被害者、そのうち5人は帰国したので残り12人の帰国を、最優先すべきです。「全員生きて帰国させる」と安倍政権は言いますが、まずは12人です。そこから次のステップに進んでいく。とにかく拉致問題は、時間との闘いです。最年少の横田めぐみさんも、もう50代になっています。

重ねて言いますが、今年5月の朝鮮労働党大会で、北朝鮮側が「拉致問題はすでに解決済み」と総括したらおしまいです。安倍首相は、私を非難しているヒマがあれば、一刻も早く12人を帰国させるよう、全力を尽くしていただきたい。

(取材・文/近藤大介)

拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々
講談社/1600円

2002年の日朝平壌会談のあと、安倍晋三は、本当に拉致被害者たちの北朝鮮一時帰国に反対したのか?その後、対北朝鮮強硬派として政治的な地位を高めた現首相、そして、その周辺に蠢いた数多くの人間たちの打算と裏切りを告発する、究極のインサイド・ストーリー!!

はすいけ・とおる/'55年新潟県生まれ。東京理科大学卒業後、東京電力入社。'09年東京電力退社。'78年に北朝鮮に拉致された蓮池薫さんの実兄。北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の事務局長などを歴任した。『私が愛した東京電力』他

『週刊現代』2016年2月13日号より