地方創生のカギは「脱・農協」にあり?
組織を左遷されたある男の挑戦

[PHOTO]GettyImages

農家を支えるベンチャー

地方創生は、地方に住む個々人の志ある行動が積み重なって成し遂げられるものであると筆者は常々考えている。特に地方では農業やその関連産業が活性化して経済も潤う面もある。志をもって戦略的に動く農業なしに地方創生はないだろう。

永井洋介氏は(42)は約20年勤続した農協を2013年に退職した。左遷人事に反旗を翻し、そして部下を引き連れ独立した。永井氏は福岡県東部で過疎化が進む豊前市に在住している。永井氏の勤務先は豊前市などを地盤とするJA福岡京築だった。

永井氏は現在、実家がある隣町の福岡県築上町で合同会社「アルク農業サービス」を起業している。地方は今すでに農業の担い手不足になりつつある。アルクは、田植えや稲刈りの代行、害虫の駆除などを格安で引き受ける。この他にも農家や地域で困ったことがあれば、相談に乗り、対応できれば仕事として引き受ける。高齢者が多い地域なので、有難い存在として一目置かれている。

さらに地元の野菜を高値で売れる北九州市内に運んで直売もする。味や品質は全く変わらないのに、重さが少し足りないなど農協の出荷規格に満たないだけで廃棄されていた野菜も仕入れて売っている。

中でも注目すべきは、機械のシェアビジネスだ。専業農家はコンバインなど高額の農機具に投資するが、償却負担に苦しむ。一方で規模の小さな兼業農家は投資に躊躇する。この間を取り持ち、専業農家の機械が空いている時に、兼業農家に貸し出す。修理も自社できめ細かに対応する。地味ながら地域の「ソリューションビジネス」だ。

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