鹿児島・冤罪事件の"決めつけ捜査" 〜警察はこうして犯人を「捏造」する!明日はわが身か

2016年02月05日(金) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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これでは誰しもが犯人になってしまう

なぜ、県警はこれほどまでにAさんにこだわったのか。

背景にあるのは、捜査技術が発達した現在も、警察組織に蔓延し続ける「悪しき体質」だ。

「上層部が一度『この人物が犯人である』というシナリオを描くと、部下である捜査官たちは盲目的にそれに従ってしまう。被害者の供述だけで容疑を固めてしまい、それ以外は平気で無視してしまうのです。指揮系統がしっかりしている警察ほど、その傾向がある」(元警視庁捜査一課長の田宮榮一氏)

このような「決めつけ捜査」をされれば、誰しもが犯人になってしまう。まさに、明日はわが身だ。

冤罪事件に巻き込まれない方法はないのか。『冤罪と裁判』の著者で弁護士の今村核氏が言う。

「取り調べで自白を強要されても、絶対に認めないことです。任意同行を拒み、弁護士事務所に駆け込むという選択をしてもいい。ただし、痴漢冤罪の際は注意が必要です。『この人痴漢です』と女性に手を捕まれた時点で、『私人による現行犯逮捕』になる。つまり、その時点でパトカーに乗せられたのと同じで、逃げることはできません。

では、逮捕されてしまった後はどうするか。現状では、諦めずに戦うしかないですね。たとえ1審で有罪になっても、家族や弁護士に支援してもらって、徹底的に新証拠を集める他ありません」

'15年3月に保釈された際も、無罪判決が下された後も、鹿児島県警からAさんへの謝罪はなく、それどころか、捜査に関する説明すら行われていない。

Aさんの逮捕当時の年齢は20歳。父親によると、「息子の人生は20歳で止まったまま」だという。

犯人検挙という点数稼ぎのために、一人の若者の人生をぶち壊した警察の責任は重い。

「週刊現代」2016年2月6日号より

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