賢者の知恵
2016年01月28日(木) 鈴木哲夫

自民党が選挙改革に猛反発する「呆れた理由」

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【PHOTO】gettyimages

「絶対阻止」の情けない理由

年明けの1月14日、「ダブル解散」の可能性が囁かれだしたさなか、衆議院議長の諮問機関である「選挙制度に関する調査会」が、衆議院の定数削減案を答申した。いわゆる「一票の格差」を是正するために、いまある295の小選挙区を7つ増やし13減らすなど調整し、現在の定数475(比例含む)から10減の465にするというものだった。

答申を受けた大島理森議長は、さっそく1ヶ月をメドに各党が党内議論を行って見解をまとめるよう指示。その後速やかに各党協議に入る方針を打ち出した。

ところが、これに強く反発した党がある。与党・自民党だ。理由は実に明瞭。「選挙区を減らすことは、議員にとって死活問題」という、あまりにも身勝手なものだ。聞けば聞くほど、「それでも政治を預かる与党か」とがっかりする。

減らされる対象となっている選挙区の自民党中堅議員が鼻息荒く、「反対」の理由を明かす。

「減らされる対象となっている13の地域は、有権者の年齢層が高く、保守層が多い。その地域から選出されている議員は、ほぼ全部が自民党議員だ。答申案のとおりに選挙区を減らすと、自民党の現職が選挙区と地位を失う、ということだ。これまで長い時間と労力、そして金をかけて地盤を築いてきたのだから、おいそれと手放すわけにはいかない。絶対阻止するしかない」

長く政治取材をしてきた私も、「地盤を作る」ことがどれだけ大変かを知っているつもりだ。この言い分も分からないでもない。

それでもやはり「ちょっと待て」と言いたい。そういう観点から、定数削減の問題を議論するのは明らかに間違っている。

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