雑誌
中国が出す経済指標はウソ八百
〜習近平の「経済工作会議」議事録を公開する

正月から上海株暴落で悲劇が続出〔PHOTO〕gettyimages

GDP成長率を「水増し」

「2015年のわが国のGDPは、67兆6708億元で、前年比6・9%増だった。四半期毎に見れば、第1四半期が前年同期比7・0%増、第2四半期が7・0%増、第3四半期が6・9%増、第4四半期が6・8%増だ。

世界経済全体が悪化している中で、よくこれだけ経済成長ができたものだと、誇らしく思う」

1月19日、中国国家統計局の王保安局長が、年に一度の記者発表会でこう述べた時、会見場はシラ~ッとした雰囲気に包まれた。

すかさず、英字紙『チャイナ・デイリー』の若い記者が、挙手して質問を浴びせた。

「この一年間というもの、多くのメディアや研究機関が、中国政府が公式発表するGDP成長の数値の真実性について、疑問を投げかけてきた。その中には、『中国の本当のGDP成長率は5%以下だ』と暴露するものもあった。

こうした多くの疑念に対して、国家統計局はどう答えるのか?」

この思いも寄らぬ「爆弾質問」に、王局長は、やや狼狽した様子を見せながらも、開き直って答えた。

「私たちも、やれどこかの研究機関だ、研究者だという人々が、中国のGDPについて、あれこれ勝手に論じているのは承知している。

だが、それらの評論には2通りあるのを知っているか?一つは、いま記者が質問したように、国家統計局は、実際のGDP成長の数値を水増しして発表しているというものだ。だがもう一つは、国家統計局は、実際のGDP成長よりも控え目な数値を発表しているというものなのだ」

会場を埋め尽くした数百人の記者たちは、この王局長の発言を聞いて、開いた口が塞がらなかった。

その日、中国で7億人が使用している「微信」(WeChat)では、次のようなメッセージが広がった。

〈われわれは中国人に生まれて、本当に幸せだ。なぜなら今後、中国経済がどんどん悪化していき、財政部や商務部、国家発展改革委員会などが「もうお手上げだ」とサジを投げたとしても、最後には国家統計局がついているのだから〉

中国は5年毎に、経済の「5ヵ年計画」を策定している。習近平主席は昨年末、「第12期5ヵ年計画」('11年~'15年)が、25の主要目標をほぼすべて達成し、大成功のうちに終えたと自画自賛した。

だが、今年から始まる「第13期5ヵ年計画」については、口数が少ない。これから5年先の中国経済など、どこまで悪化しているか想像もできないというのが、正直なところだからだ。

そのためか、'16年の経済方針を中国のトップが集まって話し合う昨年末の「中央経済工作会議」も、日程さえ発表されないという異常な事態となった。

在北京ジャーナリストの李大音氏が語る。

「この会議は習近平主席が招集し、『トップ7』(党中央政治局常務委員)を始め205人の中央委員、7人の中央書記処書記、全人代(国会)常務委員会の幹部、5人の国務委員、最高人民法院(最高裁)院長、最高人民検察院院長、全国政協の幹部、11人の中央軍事委員、31の地方自治体トップら計400人ほどが参加します。

会場となるのは、北京西郊の人民解放軍総参謀部が経営する要塞のような京西賓館の大会議室です。

われわれ記者は、このものものしいホテルの近辺に、近寄ることさえできません。そこで、京西賓館の最寄り駅である地下鉄9号線の軍事博物館駅西南出口が閉鎖された日を見て、12月18日から21日まで会議が開かれることを突きとめたのです」

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら