賢者の知恵
2016年02月01日(月) 週刊現代

イトーヨーカ堂社長が「逆ギレ辞表」を叩きつけるまで一部始終

鈴木敏文会長に叱られて

週刊現代
upperline
〔PHOTO〕gettyimages

いまやグループの足を引っ張るばかりの「お荷物」になったヨーカ堂。改革は一刻を争うが、前線に立っていた社長が年初に電撃辞任した。背景には何があったのか? 知られざる確執のすべて。

生え抜きの「エース」だった

「1月8日に戸井さんから直接電話がかかってきて、社長を辞任したことを知りました。

『実はいま臨時取締役会が終わって、社長を辞めることになりましたので、一言ご報告を』という主旨で、淡々とした口調。他の関係者たちにも、電話で辞任の報告をしているようでした」

こう語るのはセブン&アイ・ホールディングスグループの幹部の一人だ。

1月8日、同グループ傘下の中核企業、イトーヨーカ堂の社長、戸井和久氏(61歳)が辞任し、後任に前社長の亀井淳顧問(71歳)が復帰した。グループ幹部が続ける。

「あまりに突然で、まさに寝耳に水。戸井さんとは前日7日午前中のホールディングス新年役員会でも顔を合わせていました。元気よく『じゃあまたね』という感じで挨拶されたので、その時点で辞任を決意しているようにはとても見えなかった」

1月7日の新年役員会では、グループ各社の決算承認が議題の一つになっていた。昨年10月の決算説明会において、村田紀敏セブン&アイ社長が、ヨーカ堂が上半期で91億円の赤字を出したことを報告。それでも在庫の整理をして、通年では10億円の黒字を出す見込みと説明していた。ところが、この7日に発表された数字はそれとはほど遠いものだった。

「'15年3月〜11月期に144億円の営業赤字となり、前年同期の25億円の赤字と比べても、大幅なマイナスとなったのです。通年黒字はとても達成できません。

当然、グループ役員たちから業績不振や今後の方針について、質問が出ました。戸井さんはそういう質問に対して、自分の言葉で丁寧に説明していた。いつになく質疑応答が活発に行われたのは確かですが、その席では戸井さんの責任を問うべきだといった雰囲気はありませんでした」(前出のグループ幹部)

業績不振の弁明に終始しながらも、戸井氏はいたって前向きに議論していた。しかし、同日の午後、戸井氏はセブン&アイ本社9階にある会長室に現れ、鈴木敏文会長(83歳)に辞表を提出、「業績低迷の責任を取りたい」と告げた。突然の申し出に鈴木会長は慰留したが、戸井氏の意志は固かった。

次ページ 戸井氏は早稲田大学商学部卒業後…
1 2 3 4 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事

最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ