中国にはっきりNO!と言う 
新政党「時代力量」の躍進で中台関係はこう変わる

【ルポ・台湾総統選】
【PHOTO】gettyimages

文/福島香織(ジャーナリスト)

メタルバンドのボーカルが中心メンバー

民進党の躍進に注目が集まった台湾の選挙だが。実はもう一人の「主役」がいる。それが、新党・時代力量だ。若く、台湾の独立を「自然なもの」と思っている彼らこそ、これからの台湾を支え、そして中台関係を変えるキーマンとなる。台湾で取材を行ったジャーナリストの福島香織氏が、時代力量についてレポートする。

1月に行われた台湾の総統選挙は、300万票という台湾総統選挙始まって以来の大差をつけて民進党候補の蔡英文が勝利、8年ぶりの政権奪還を果たした。

総統選だけでなく、同時に行われた立法院選挙でも民進党が113議席中68議席を獲得。国民党が獲得したのは35議席であるから、あわやダブルスコアになるかという完全勝利だった。8年前の陳水扁政権は、立法院が野党に過半数を奪われ、“捻じれ国会”状況によって苦労させられた末、自滅に追い込まれた感がある。だが、5月20日に発足する蔡英文政権は、野党の妨害がほとんどない、と言う意味で、本気の改革が期待できる。

しかも、今回の選挙で民進党と共闘関係を築いていた新党「時代力量」が、5議席を獲得し第三党に躍り出た。2014年3月18日から24日間に渡って立法院を占拠し、台湾政治の流れを変えた「ひまわり学生運動」関係者らが創設したこの新党が立法院で放つ存在感は、わずか5議席と言えど小さくない。

蔡英文の勝利にばかり注目が集まるが、ここで「もう一人の勝者」であり、日本人にはなじみの薄い「時代力量」について紹介しておこう。

英語名はNewPowerParty。その名前からも分かるように、“新時代”世代と呼ばれる十代、二十代の若者を支持層に持つ若者の政党だ。党主席は、このほど立法院選挙に当選し立法委員となった黄國昌。元中央研究院法律研究所の研究員だったが、ひまわり学運にも参与、学生リーダーの林飛帆らともに、島国前進という公民運動組織を結成している。

2016年の立法院選挙に出馬するため中央研究院を辞職し、2015年1月25日に、人気ヘヴィメタルバンド「ソニック」のボーカルでやはりひまわり運動賛同者のフレディ・リム(林昶佐)らとともに、新党「時代力量」を結成した。

黄國昌、フレディ・リム、洪慈庸(2013年に義務兵役中にしごきで死亡した青年兵士の姉、弟の死をきっかけに公民運動に参与)の3人が選挙区で国民党候補を下し当選し、そしてこの立法院選挙で、得票率6.11%を得て2人が比例代表として当選した。

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