息切れするネットメディア、真の勝者は結局「テレビ」だった!PV(ページビュー)戦争の罠

2016年01月28日(木) マイケル・ウルフ

マイケル・ウルフThe New York Times

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広告離れを進めてきたテレビ業界

オンライン・メディアの革命家たちは当初、より多くの無料コンテンツと、より多くの広告というテレビのビジネス・モデルを盗むことで、やすやすとテレビの旨みを手に入れられるものと踏んでいた。

ところが、今やオンライン・メディアは「無料」の中で溺れかかっている。あらゆるもののアグリゲーターであるグーグルとフェイスブックがトラフィックを支配し、実質的に広告料金を設定する形となっている。

この両者のトラフィックが驚異的に拡大したことで広告市場は過剰供給となり、広告料金を押し下げる結果となった。ガーディアンからバズフィードに至るまでのメディアは、トラフィックを増やすことによってしか競争に勝つことができない。

トラフィックというのは、愛読者ではなく単に通り過ぎてゆく何百万というウェブページの訪問者で、それは、あまりにも瞬時であるため、当然ながら支払われる広告料はどんどん安くなっている。

一方テレビ業界は、あたかも中毒から回復するように、着実に広告離れを進めてきた。ケーブル会社からの料金や、毎月消費者のクレジットカードから引き落とされる料金に基づく新しいビジネスを始めているのだ。

今日、放送とケーブル収入の半分は広告以外からのものとなっている。ケーブル料金を払うのは世帯の大人たちであることから、コンテンツも「ザ・ソプラノ」、「マッド・メン」、「ブレーキング・バッド」、「ザ・ワイヤー」、「ザ・グッド・ワイフ」など、大人向けのものでなければならない。

皮肉なことに、かつてもっぱらニールセンの視聴率に振り回されていたテレビが高級化し、オンライン・メディアは、ばかげたトラフィック・ゲームに成り下がっている。テレビは、名声と影響力を収益化する方法を見出したのだ。

何人の人が「ハウス・オブ・カーズ」を見たかなど分からないし、そんなことはどうでもよい。大衆市場のテレビが高級化に向かったのに対し、リスティクル(リスト記事)や過剰に感傷的なバイラル動画などを提供するデジタル・メディアは、低レベルのマス(層向け)路線を追う形になった。

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