The New York Times

息切れするネットメディア、真の勝者は結局「テレビ」だった!

PV(ページビュー)戦争の罠

2016年01月28日(木) マイケル・ウルフ
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〔PHOTO〕iStock

文/マイケル・ウルフ

「いまはテレビの時代なんですよ!」

2015年6月、ルパート・マードックが息子のジェームスを21世紀フォックスの最高経営責任者(CEO)に任命した時に、当然の疑問が生まれた。

つまり、マードックの息子に生まれたということが最大の資質であるような男が、一体どうやってシリコンバレーの実力主義を生き抜くプログラマーや起業家に太刀打ちできるのだろうか、という疑問だ。

私は数年前、ジェームスが父親のサテライト放送会社のBSkyBを経営していた時に行った辛辣なインタビューで、この落差を指摘したことがある。すると彼はマードック特有の口調でそれをあっさり切り捨てこう答えた。

「全然分かってないんじゃないかな。よく周りを見回してくださいよ。テレビの時代なんですよ!」

マードック一族は古い時代のメディアの遺物と信じ込んでいた私は、周りを見回してみた。すると確かに、インターネット時代であるにもかかわらず、BSkyBが強大な地位を確立している事実にたじろいでしまった。実際、それはヨーロッパ最大の企業の一つだった。

直観に反するもうひとつの事実がある。

どんなにデジタル企業の評価額が急騰し、誇大宣伝されてメディアが騒ごうと(もっとも、その大半はデジタル・メディア自体から発信されるものだが)、いまだに人々はインターネットよりテレビ視聴に多くの時間を費やしているということだ。

そして、テレビを見るためにインターネットを使う時間が増えていたのだ。

実際、マードック氏と話をした時から今日に至るまでの間、つまり、メディア界のほとんどの人が「デジタルこそ未来だ」と言っていた期間は、テレビの歴史の中で最も大きな成長が見られた時期のひとつだった。

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