金融・投資・マーケット
投資家が期待する「追加緩和」が、市場をさらに混乱させる
追加緩和実施の可能性を示唆したECBドラギ総裁

金融市場の「希望の灯」

不安定な展開を続ける金融市場の中に希望の灯が見え始めている。それは、追加金融緩和だ。

1月21日、ECBのドラギ総裁は景気の下振れを指摘し、追加緩和実施の可能性を示した。わが国でも急速に日銀の追加緩和に対する期待が高まっている。その灯が、わが国の株式市場の大幅反発を演出したといえる。

年初来の金融市場は、二つの要因に振り回されてきた。一つ目が原油価格の急落だ。もう一つが中国の景気、金融市場の動向に対する懸念である。ともに年明け以来不安定な動きを続けている。それは今後も投資家を一喜一憂させるだろう。

その中で、投資家は金融政策への期待を高めている。その背景には、原油価格が下落し続ければ、これまで以上に物価の上昇率が抑制されるという “ディスインフレ懸念”が高まるとの懸念がある。

すでに主要国では“マイナス金利”“量的緩和”等の金融政策が実施されてきた。それにもかかわらず、物価の低迷は続いている。デフレスパイラルを避けるため、中央銀行はリスク資産の価格を支え、投資家や消費者のマインド改善に働きかけなければならない。これはもはや心理戦だ。

一時、“ドラギマジック”と呼ばれたECBドラギ総裁の対応はその代表例だ。昨年10月の『あらゆる手段を検討する』という発言は市場の期待を集めた。そして、再度ドラギ総裁は追加緩和への期待を高め、市場のリスクテイクを促そうと考えている。

日銀も、よく似た状況にある。黒田総裁は、物価の基調に変化があれば『躊躇なく政策を調整する』と繰り返し発言している。そうすることで市場に一定の安心感を与えたいのだろう。

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