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あのアパホテルが一泊3万円!
爆買い中国人殺到で東京・大阪は泊まるところがない

週刊現代 プロフィール

——なぜシングル素泊まりで2万〜3万円もする部屋があるのか。

「連休の前日とか、中国の旧正月など需要が高まると予想される時期は、支配人の裁量で価格を上げているのです。

確かに、時期によってはご指摘の料金になることはありますが、あくまで都心のごく一部のホテルの話。むしろ、日によっては定価の半額でご提供することもあります。高い日ばかりを取り上げて『アパは高い』といわれますが、むしろ他社よりも安い日もある。

こうして、需要の変動に合わせて価格の上げ下げをするのは欧米のホテルでは当然のことです」

——かつての駅近・低価格を打ち出したアパは、サラリーマンの味方だった。このままではサラリーマンの出張手当ではアパホテルに泊まれない。

「他のホテルをお使いになればいいですよ。ウチはいたずらな価格競争ではなく、50インチの大画面テレビやシーリーと共同開発したオリジナルベッドを導入するなど、世界中からいらっしゃるお客様にくつろげる空間をご提供し、満足していただけるホテルを目指しています。

現状でも日本のホテルは総じて価格が安い。ウチは各ホテルの定価の1・8倍を上限に支配人に価格を設定する裁量を認めています。他の国ではオリンピックの時期なら5倍、10倍になってもおかしくはない。

そもそも、東京や大阪に出張があるからといって、わざわざ都心に泊まらなくても、電車で20〜30分の近郊まで行けば手頃な値段で泊まることができます。アメリカのビジネスマンは、ホテル料金の高いニューヨークのマンハッタンで仕事があっても、下町のニュージャージーの料金の安いホテルに泊まって、そこから電車でマンハッタンまで出てきますよ」

——今後、アパを含めたホテルの料金はどうなっていくと考えるか。

「マグロの初競りだって、何千万かの値段がついたりするけど、あれも普通の日なら何百万で済むでしょう?

それと同じで、資本主義の原則に即した値付けをうちがやっているというだけのこと。いずれは全てのホテルがうちのような料金システムになりますよ。'20年の東京オリンピックに向けて、訪日外国人の数はどんどん増える。

オリンピック開催時には標準価格がいまの1・5倍くらいになっていてもおかしくはありません。いずれ、東京都心のホテル料金も、マンハッタン並みに上昇するでしょう。ですから、ご予算に合わせて、少し都心から離れたホテルをご利用いただければと思います」

「資本主義の原則」を掲げ、堂々と語った元谷代表。だが、ホテルは単に需要と供給の論理だけでなく、「イメージ」や「好み」で客が選ぶ業界でもある。強引な値上げで一般サラリーマンに嫌われたことを、後悔する日が来なければいいが。

「週刊現代」2016年1月30日号より