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あのアパホテルが一泊3万円!
爆買い中国人殺到で東京・大阪は泊まるところがない

週刊現代 プロフィール

まさに便乗値上げ

昨年の11月に、関西から出張で東京を訪れた大手食品メーカーで営業職を務めるB氏も、宿泊料金高騰で苦労したという。

「会社から出る宿泊費は一泊8000円が上限。でも、新宿周辺でホテルを探すと、空いていてもふだんなら一泊5000円がせいぜいの部屋が1万5000円はした。

7000円も自腹を切るのも馬鹿らしくなって、あてどもなく歩き、疲れ果てた末にたどり着いたのはラブホテル。しかも、ラブホテルでも一室料金でしっかり6000円はとられた。疲れが取り切れず、翌日の商談には万全の体調で臨めませんでした」

中堅証券会社の営業マンとして全国を飛び回るC氏が続ける。

「急な商談で大阪に出張を命じられ、2日前から宿を探したものの、どこも予約でいっぱい。仕方なく、宿を予約せずに大阪入りしました。

当日の夜、商談が終わってから梅田界隈で手当たり次第にキャンセル待ちをあたってみたものの、どこも満室。サウナやカプセルホテルですら空きがなく、朝まで営業しているチェーンの居酒屋で、ちびちびウーロンハイを飲みながら一晩明かしました。たった1泊の出張なのにほとほと疲れ切りましたよ」

こうしたビジネスホテルの予約難や料金の高騰は、なぜ起きているのか。『ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方』などの著書がある、ホテル評論家の瀧澤信秋氏が言う。

「円安やビザの発給条件緩和に伴う訪日外国人の増加が大きな要因です。政府も観光立国化に注力しており、歓迎すべきことではあるのですが、中国人の団体客などが大口でホテルをごっそり押さえてしまうのは、やり過ぎの感もあります。

彼らは、半年前であるとか、1年前から取れる部屋を過分に予約して、それから条件の良い部屋を選んで、ほかをキャンセルするケースが見られます。ホテル側からすれば迷惑な行為なのですが、日本のホテルの場合、海外であれば数週間前からかかるキャンセル料を3日前までは設定していない場合が多い。しかも、実際には請求しないケースすらある。

そのため、直前までキープされる部屋が増え、予約が取りにくくなるのです。東京、大阪、福岡などの大都市部、あとは京都や金沢といった、外国人に人気の観光地のホテルが異常に値上がりしている。とりわけ、東京と大阪、名古屋は稼働率が大幅に上昇し、手頃な値段で部屋を見つけるのが難しい」

経営コンサルタントの小宮一慶氏も口をそろえる。

「観光目的だけなら、ビジネスホテルよりも格上のシティホテルなどを中心に予約が埋まるのでしょうが、円安を背景に日本で購入したブランド品や電化製品を、価格差を利用して中国で売りさばく、いわゆる『爆買い』目的のツアー客が増えたことがいまのビジネスホテル難につながっている。