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中国人民元が世界「通貨危機」を引き起こす
~2016年世界経済のシナリオを「M・O・N・K・E・Y」で考える【その3】

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「バブル崩壊」は5年周期でやってくる

年初から3週間弱が経過したが、大荒れのマーケットは一向に収束の気配がない。

筆者は年明けの当コラムで2週間にわたり、キーワード「M・O・N・K・E・Y」をもとに2016年(申年)の世界経済・マーケット動向の考え方を示してきた。

そして、ここまでの状況を見る限り、指摘したように、2016年は、「経済状況の変化に対応してマーケットが動く」というより、「マーケットの変動が経済や政策に影響を及ぼす」可能性がますます高まっているように思える(詳細は1月7日の同コラムを参照のこと)。

そこで、今回は、「M・O・N・K・E・Y」の中から「E(Exchange Rate、為替レート)」について、あらためて考えてみたいと思う。

ただし、ここで話題にするのは中国人民元の行方である。結論からいえば、人民元は、国際金融論でしばしば話題になる「通貨暴落モデル」が想定する世界にじわじわと近づいている、ということである。

80年代半ば以降の世界経済全体を見渡すと、一種の「バブル崩壊」にともなう金融・経済危機が、約5年の周期で発生している。

1987~88年頃の米国S&L危機 → 1991~92年頃の北欧の金融危機 → 1997年アジア通貨危機・1998年ロシア通貨危機 → 2001~2002年米国ITバブル崩壊 → 2008~2009年リーマンショック → 2011~2013年ユーロ危機

この「バブルリレーの法則」が正しいと仮定すれば、そろそろ、次の危機の芽が出てきてもよい頃合いであり、それが中国発となるリスクを無視するわけにはいかない。

中国の株価は既に大きく下落しており、中国株(上海総合指数)の予想PERは12倍弱と世界平均よりも低い。そのため、株価で「中国バブル」を表現するのは無理があるように思われるが、債務残高が対GDP比で300%近い状況は、中国経済に依然として金融の過度なレバレッジがかけられていることの証拠であり、これはやはり「中国バブル」と表現してもよいのではなかろうか。