大阿闍梨が明かす少年時代「中学校に入ってからは、パチンコ屋さん通いがやめられませんでした。なぜなら…」

島地勝彦×塩沼亮潤 【第3回】

2016年01月20日(水) 島地 勝彦

撮影:立木義浩

第2回【修行をはじめた頃は、亡霊と餓鬼ばかりが現れました

シマジ 幻聴や幻覚の怖い話も凄いですが、現実の体験で怖かったことはなにかありますか?

塩沼 そうですね、山道でいちばん怖かったのはマムシとの遭遇でしょうか。

シマジ たしかに、千日回峰行で弱った状態で噛まれたら、最悪死ぬことだってあるでしょうからね。

塩沼 そうなんです。深夜、雑草が生い茂った狭い山道を錫杖でトントンやりながら提灯の明かりだけで進んでいくわけですが、体が疲れているので、マムシがいるかもしれないなんて考える余裕もなくなり、つい一気にバーッと駆け降りてしまうんですね。運を天に任せて走ったりする場合もあります。

ある日、明るくなった山を下ってきたときのことです。ふと足元をみると太いマムシが死んでいました。きっと夜中にわたしが頭を踏みつけて殺してしまったのだと思います。でも、偶然にもピンポイントで頭を踏んだからよかったものの、もしも尻尾を踏んでいたら、確実に足を噛まれていたでしょう。

そしてあっという間に毒が回り、わたしの方が死んでいたかもしれません。この時も仏さまが守ってくれたんだと思います。

シマジ 夜中ですし、そもそも山の中に病院なんかありませんものね。そんな命がけの修行を全うされた大阿闍梨に対して尾籠な話で恐縮なのですが、これだけは聞かせてください。やっぱり排泄は野糞なんですよね?

立木 シマジ、よくぞ訊いてくれた。おれもさっきからそのことが気になって仕方なかったんだ。

塩沼 はい、野糞です。山のなかではそれしか方法がありませんから。都合1500回くらいはしていると思います。おそらく現代の日本で、いちばんたくさん野糞をしたお坊さんじゃないでしょうか(笑)。

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