社会保障・雇用・労働
待機児童が増えたのは「働く母」が増えたからじゃない! 白熱の質疑応答で暴かれた安倍総理の「ウソ」
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1月13日の衆議院予算委員会での山尾志桜里議員の質疑は、待機児童の増加原因について、安倍総理と国民の感覚のズレを根本から切り崩す重要な指摘だった。果たしてどんなズレがあるのか、その質疑内容を振り返りながら、待機児童についての政府の認識、またマスコミや一般国民の大きな思い違いについてを改めて見直していく。

本記事は現代ビジネスが配信するメルマガ「古賀茂明「改革はするが戦争はしない」フォーラム4』の記事の一部抜粋です。

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久々に聞き応えのある質疑があった。野党がしっかりした質問をすれば、こんなに安倍総理を追い詰めることができるということを見せつけた。

しかも、単なる言葉の問題ではなく、待機児童に関する政府全体としての認識に問題があり、マスコミや一般国民も大きな思い違いをさせられていたということを明らかにするとても面白い質疑だった。

ニュースでも取り上げられたが、ごく一部だけしか伝えられていないので、今回は、少し長めに引用したい。これも、皆さんが、国会中継を見ているつもりで読んでいただけたらと思う。もし、お時間があれば、36分ほどなので、是非ネットで見て欲しい。(衆議院インターネット審議中継:http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=45450&media_type=wb

1月13日の衆議院予算委員会の山尾志桜里議員と安倍総理の質疑。待機児童の部分を抜粋しながら解説したい。

山尾志桜里議員(以下山尾): 「待機児童の数は、2010年から2014年まで、連続して減ってました。2015年は、増えちゃったんです。21,371人から23,167人です。

待機児童ゼロに強い決意を持つ総理は、何故、去年待機児童が増加になってしまったのかという、原因について当然お考えになっていると思いますが、去年の11月、総理は読売国際経済懇話会でこう説明しています。

『今年待機児童は前年より増えてしまった。安倍政権発足以来、女性の就業者が90万人以上増えたから、無理もないことであります。』この認識にお変わりはないですか」。

安倍総理(以下総理): 「女性の就業率の上昇などを背景に、女性が活躍できる環境の整備と景気が回復していることによって、働く場が増えていくわけであります。待機児童は増えています。そのため、…(子育て政策の説明)…のような政策を進めています」。

山尾: 「違う違う。(待機児童増加の)原因は、女性の就業者が90万人増えたと言っているが、その認識が変わっていないのかと聞いている」。

総理: 「今言ったとおり、女性の就業率の上昇などを背景に……」。

山尾: 「違う違う。今、総理は就業『率』と言っているが、去年、女性の就業『者』が増えたからと言っている。そこに変わりはないのかを聞いている」。

総理: 「就業者が増えていくことによって就業率も増えていったということであります」。

このあたりまで来ると、普通は、何故こんな細かいことにこだわるんだろうという疑問を感じるはずだ。

待機児童が増えたのは女性の働く人の数が増えたからだと、去年から政府はずっといい続けてきた。それをマスコミも鵜呑みにして報道してきた。その説明は一見説得力がある。その説明を前提にすれば、これは過渡的な現象である、というように感じる。

それについては、今まで大きな議論になったことはなかった。ところが、山尾議員は、ここで議論を仕掛けようとしている。どうしてだろう。何かくだらない揚げ足取りがまた始まるのかな。そんな雰囲気で、与党議員も含めて議場は静かになった。みんな次の山尾議員の言葉を待ったのだ。

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