中国 経済・財政
中国政府の「誤った一手」が、再び世界同時株安を招く
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連鎖安の嵐

2016年の第1週、世界の株式市場で年初としては異例の同時株安の嵐が吹き荒れた。現時点ではっきりしているのは、元凶がチャイナリスクだったことだ。昨年の夏、世界を震撼させた火種がわずか4カ月で再燃したのである。

しかし、不幸なことに、中国当局は市場を小手先でコントロールできると考えているようだ。マーケットの混乱を避けようと、上海市場の閉鎖や大株主の売却制限といった対症療法に終始した。このため、売り場を求める嵐は東京市場に上陸。戦後初めて日経平均株価が年初から5日急落するという災禍をもたらした。

とどまるところを知らない嵐は、他のアジアや欧州の市場を軒並み下落させた後、大西洋を渡った。そして、ニューヨーク・ダウ(工業株30種平均)は年初の5営業日として過去最大の下げ率を記録した。

あれだけ下げたのだから、世界の株式市場は今週、そろそろ下げ止まり、小康状態に入ってもおかしくないところだ。

とはいえ、連鎖安の嵐を繰り返さないためには、中国が小手先の対応を改めるだけでは不十分だ。急落のメカニズムの徹底的な究明と、かつてないクラスの国際協調が必要である。果たして、今の世界に、この重責を担えるリーダーがいるだろうか。

年初に勃発した今回の世界同時株安の深刻さをはっきりと表したのは、先週末(8日)のニューヨーク市場の動きだ。この日、最大の注目材料だった米雇用統計(昨年12月分)が、非農業部門の雇用者数が29万人増と、事前の大方の予想(20万人増)を大きく上回ったにもかかわらず、買い手の勢いは続かなかった。

ダウ(工業株30種平均)の終値は前日比167ドル65セント安の1万6346ドル45セント。年初の5営業日としては過去最悪の下落率を記録した。S&P500種のパフォーマンスも、データが遡れる1928年以降の最悪の水準という。

問題の5日の間、ニューヨークと東京には、相場が底入れして世界同時株安にピリオドを打ってもおかしくない局面があった。ところが、それぞれの局面でいずれも買いが十分に膨らまず、全体として市場が弱気に覆われていることを浮き彫りにした。先週末のニューヨーク市場の動きを見る限り、地合いの悪さは今週以降に持ち越されかねない。