スポーツ

大学との連携で新しい価値創出へ

~関西学院大学との協定~

2016年01月07日(木) 伊藤数子,スポーツコミュニケーションズ
(調印式に出席した関西学院大・村田治学長<中央>、同大・村尾信尚教授<右>と筆者)

 東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は全国で786(12月1日現在)の大学・短期大学と連携協定を結んでいます。2020年の大会に向けて、オリンピック・パラリンピック教育の推進やグローバル人材の育成、各大学の特色を生かした取り組みを進めていこうというものです。「産学官」という言葉が聞かれて久しいように、社会を動かしていくうえで大学の役割は大きく、オリパラの成功のみならず、その後、目指す社会の構築に向けても、大学との連携は重要です。

 昨年12月15日、STANDは関西学院大学と協定を締結しました。多様性を認め合う社会の実現に向けて連携して取り組んでいこうというものです。大学には、たくさんの社会的価値があります。その中でも、次のような特徴が今回の連携を有意義にしてくれるものと考えています。

 一つ目は、大学は知の財産が蓄積していく場であるという点です。毎年、学生が入れ替わるのにも関わらず、大学には伝統が築かれています。ここに、大学の持つ「知の蓄積」という際立った機能があると考えています。連携により得られた成果は、蓄積の機能に載せられ、次の時代へと引き継がれていきます。

 二つ目は、学生は次代の当事者という点です。自分たちが生きていく時代を自ら創り出す人たちですから、長い将来を見据えていくでしょう。その当事者は、私たちにはない力を有していて、協働により新しい価値を生み出すと考えています。

 三つ目は大学のもつ「教育」の力です。STANDは2015年にボランティアアカデミーを開講しました。終了後のアンケートに次のようなコメントがありました。「受講した2日後、街で白杖を持った方を見かけました。生まれて初めて障害のある人に声をかけ、目的地まで案内しました」というものです。アカデミーでは、パラスポーツ大会のボランティアを通じて、共生社会を目指すことを目的としています。しかし、講座の出口に明確な人物像を設定し、そこへ意図的に導いているかというと、そこまで理論的に設計されているわけではありませんでした。お恥ずかしながら、この例はむしろ結果として得られた成果に近いのです。しかし、大学は、出口を想定し、あらかじめそこへ導く設計ができます。こうした教育という私たちには持ちえない大きな力と連携できると考えているのです。

 今回の協定は、関西学院大学の教授である村尾信尚さんの構想によるものです。村尾さんは報道番組『NEWS ZERO』のメーンキャスターも務めていらっしゃいます。番組ではパラスポーツを採り上げることも多く、私たちも村尾さんとご一緒させていただく機会がありました。その後、村尾さんが「2020年の東京オリンピック・パラリンピックは大学にとっても好機。パラスポーツを通じて、社会について考え行動を起こしていくことはできないか」と提案してくださったことから、今回の協定へとつながっていきました。

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