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四国IL・鍵山誠CEO「海外戦略、リーグ改革の成果」

2016年01月07日(木) スポーツコミュニケーションズ

 新年明けましておめでとうございます。四国アイランドリーグにとって2015年はこれまでにない素晴らしいシーズンとなりました。一番は改革が合格点と言える成果だったことです。昨季、我々は約3カ月間ずつ行っていた前後期の日程を、4~5月、8~9月の2カ月に圧縮しました。そして6月にはリーグ選抜チームを結成し、北米の独立リーグに挑戦したのです。
 
初の北米遠征は有意義なものとなりました。参加したフロント、指導者、関係者は米国の裾野の広さを実感したことでしょう。選手の力量ひとつとっても、独立リーグレベルでパワー、スピードが違います。これは日本のNPB相手の交流戦では味わえない感覚です。慣れない環境の下、いかに自分たちの持ち味を出し、相手を上回れるか。世界の中での位置づけを知ることができたのではないでしょうか。
 
経営面でも見習うべき点は多々ありました。北米の独立リーグでは球団運営がきちんとしたビジネスになっています。各球団は自前の球場を持ち、さまざまなイベントを行って多くのお客さんを集めていました。街づくりにおいても、球場は大切な文化拠点となっています。我々が最初に訪れたセントポールでは電車の終着駅を降りると、すぐに球場があり、アクセス面も優れていました。
 
さらに各球場には放送設備があり、試合はすべてインターネット配信されていました。我々も今季は独立リーグ・グランドチャンピオンシップの映像をライブ配信しましたが、そのクオリティは全く異なります。内容は実況付きで、さまざまな角度から撮影され、NPBやMLBの中継を見るのと、ほとんど変わりません。野球を受け入れる素地が日本より、数段進んでいる。そのことを改めて痛感しました。
 
このような段階に我々も一気に到達できるとは考えていません。しかし、ここをゴールに本気で独立リーグの経営を軌道に乗せよう。経営陣にとっては目標が明確になったはずです。その意味でも、意義深い遠征だったと思っています。
 
加えて国際交流の観点からも、北米遠征は役割を果たしました。行く先々では、現地の日本人のみならず、住民の方から熱烈な歓迎を受けました。たとえばカナダのオタワでは地元の人たちが阿波踊りを練習して披露してくれたのです。単なる観光PRよりも、野球、スポーツを通じた交流の方が、より四国に興味を持っていただけるのではないか。このことを肌で感じました。今後、海外遠征を続けていく上で、各県の行政や地元企業とタッグを組めば、四国のアピールができる気がしています。この先の可能性を秘めたプロジェクトに成り得ると確信した1か月間でもありました。
 
北米遠征には残念ながら参加できなかった選手にも、中断期間は前期で足りなかった部分を見つめ直し、練習に取り組む時間に充てられました。球団にとっても新戦力の補強や選手の入れ替えを行い、競争を煽ることができたとみています。
 
結果、NPBドラフト会議では6選手が指名を受けました(1名は入団辞退)。その中には吉田嵩(徳島-中日育成2位)のように、2013年から始めたトライアウトリーグの合格者もいます。彼は高校からアイランドリーグに入り、わずか1年で指名を受けました。社会人チームなら高卒は最低でも3年は待たなくてはいけないところを1年で次に進める。NPB入りを志す若者に、独立リーグの長所を示してくれました。
 
また香川から中日入りしたドリュー・ネイラー(中日)など、独立リーグからNPBに途中加入する外国人が多数いたことも昨季の特徴です。さらには藤川球児(阪神)の高知入団も話題となりました。外国人や既に実績のある選手がNPBを目指す場として、NPB球団にとっては適応能力や現状の力を判断する場として、独立リーグが存在感をみせた1年だったと言えるでしょう。

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