ただ英語ができない「だけ」で、日本人は世界でこんなに大損している

私が子供を海外で学ばせる理由

2016年01月05日(火) 田村 耕太郎
〔PHOTO〕gettyimages

ふるさとは遠きにありて思ふもの

日本国籍を持つ3歳児の中で、私の娘は多分、ナンバーワンの愛国者だと思う。それは大好きな日本に、限られた時間しかいられないからだ。

・自分を心から愛してくれる最愛の家族がたくさんいて、
・自分が2歳までに身につけた(身につけさせた)カツオと昆布の出汁が入った美味しい食べ物がたくさんあり、
・来るたびに暑かったり、寒かったり、木々の葉っぱの色や咲いている花の種類が違い、
・アンパンマンミュージアムやディズニーランドやキッザニアという素晴らしい施設がある、
大好きな大好きな日本。

シンガポールの教育やビジネス環境はたしかに素晴らしい。だが、そのシンガポールを空気のように思っている娘が、心から愛し、恋い焦がれるのは「日本」なのだ。

日本のことがもっと知りたくて、自分でいろいろ調べては、もっともっといろんなところに行きたくなってきている。クラスの友達にはいつも「日本に行ってきた自慢」ばかりしている。3歳児なりに日本人であることを誇りに思っているようだ。

たくさんの友達がいて大好きな先生がいるシンガポールだが、娘は3ヵ月もすると"日本が切れて"しまう。この年末年始も日本の素晴らしいところをたくさん見て、肌で感じてもらっている。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」とはよく言ったものだ。

娘は日本で行ったところや会った人たちを鮮やかなフォトグラフィックメモリーで記憶しているようで、映像や写真をタブレットやスマホで見ると、「あっ!あそこいったね」「あれも食べたね」と指摘するので、本当に驚いてしまう。

海外で子供を育てる最高の副産物は、「強い愛国心」だと思う。ずっと日本にいる人間は、日本の本当の素晴らしさに対して鈍感になってしまうのかもしれない。
 

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著者=田村耕太郎

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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。