箱根駅伝とエヴァンゲリオン~箱根に住んでなんとなく分かった、駅伝選手にアニメファンが多い理由
箱根に別荘を買った女編集者・花房麗子の「駅伝裏レポート」
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箱根駅伝が好きで好きで好きすぎて、箱根に別荘を買ってしまった某週刊誌の女編集者・花房麗子。「せっかく箱根にいるのに、ただ駅伝を観るだけではつまらない。私が、箱根駅伝の魅力を伝える記事を書く!」と、冬休みを返上して原稿執筆に臨んだ。

箱根駅伝スタートの1月2日まで続く(予定の)この連載。読めば、箱根駅伝が10倍楽しくなる……!?

駅伝ファン。箱根に別荘を購入す

2005年の夏、関東学生陸上競技連盟(通称・関東学連)から驚きの発表があった。

「山上りこそ、日本のマラソンランナーを育てる」という名目のもと、箱根駅伝の5区を来年から区間延長するという。箱根駅伝の5区中継所はカマボコの一大テーマパークである「鈴廣前」から、「メガネスーパー前」に移るらしい……そこには、当然ながら観客用の駐車場などなかった。

この瞬間、大量の「箱根駅伝観戦難民」が発生している。私もその一人だった。

ところがしばらくして気がついた。箱根の地価は、都心のほぼ10分の一であるということに。そして、バブル崩壊後、箱根山中では、結構な数のリゾートマンションが売りに出ているということも。

「箱根は東京から一番近い温泉地じゃないですか。ですからバブル期はリゾートマンションがたくさん建ったんですよね。だけど、当時の物件も、もう20年近く経って所有者の方は高齢化するしで、みんな売りに出されて格安になっているんです。それと、大手企業がどんどん合併していくから、保養所が余りに余って売りに出される数が多くなっているんですよ」

いくつかの部屋の鍵を開けながら、不動産屋さんがそう説明してくれた。

箱根駅伝のルートとなる国道1号線沿いには、「ヘアピンカーブ」で有名な大平台、その先の宮ノ下、「小涌園」のある小涌谷、ゴール手前の芦ノ湖といった別荘地が点在している。ちょっと検索してみてほしい。ほら、200万円台、300万円台のマンションも結構おありでしょ?

ベランダから眼下の1号線を眺めながら、唸った。正月に、目の前を今井正人選手が疾走する光景が浮かぶなぁ……。

以来、「駅伝を沿道で見たいがために、東京ではなく箱根山中に家を買った大バカ者」という痛いレッテルが私に貼られ、編集部の後輩たちからの冷たい視線は年々増すばかりだ。だが、たしかにちょっとばかり無謀ではあったが、

「箱根から見た箱根駅伝」

を味わえていることで、十分に元は取れた。いや、ホントです。

箱根駅伝は正月の2日、3日で平均視聴率20%を超し、100万人が見ているといわれる。テレビに釘付けになっている方々と同じく、10時間ぐらいは私もテレビ画面を凝視しているのだが、我が家の前を選手が通り過ぎる10分程度のわずかな時間、これが実に面白い。

選手が通り過ぎるのは一瞬だとしても、箱根町にはいろんな場所に駅伝観戦を興味深くする「隠し味」が詰まっている。箱根があるから箱根駅伝。その、「箱根の秘密」を書いていきたいと思う。