賢者の知恵
2016年01月01日(金) 週刊現代,坂上遼

「おみくじ」の秘密
〜その起源から大吉と凶の割合、製造元まで

ルポライター坂上遼「百聞一見探訪記」

週刊現代
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〔PHOTO〕gettyimages

正月と言えば初詣、そしておみくじだ。でもよく考えたら、おみくじって誰がどこで作ってるの? 大吉と凶の割合はどうやって決まるの? 身近だけど誰も答えられない疑問に、探訪記者が迫る!

文/坂上遼(ルポライター)

凶の割合にキョーガク!

正月といえば、初詣だ。普段神社仏閣に縁がなくてもこの時ばかりは、老若男女が参拝し、自身や家族、想いを寄せる人たちの安寧を願う。後は、数百万、いや数千万人が「おみくじ」を引く。

ところでこの「おみくじ」、知っているようで実は知らないことが多い。そもそも全部で何枚あるの? 同じ番号だと同じことが書かれているの? 「吉凶」の割合はどうなっているの?

そんな疑問に答えるため、ちょっと罰当たりだけど、毎年300万人前後が初詣に訪れる成田山新勝寺、川崎大師、浅草寺、鶴岡八幡宮、伏見稲荷大社、住吉大社のおみくじを一足早く、全部引いてみた。

まず出かけたのは、「お大師さん」と親しみを込めて呼ばれる神奈川県の川崎大師だ。

目指すおみくじは、境内の7ヵ所に設置されている。百円玉を備え付けの木箱に入れ、六角形の御籤筒(みくじづつ)をガランゴロンと振って、細長い竹串を引き出す。その先に書かれた数字のおみくじを、ずらりと並んだ箱から取り出す。今回は、自分の分を1本引いた後は、一番からおみくじを抜いていく。

こうして全てのおみくじを並べてみると、「第一番 大吉」に始まり、「第九十九番 大吉」まで99枚ある。

「大吉」は全部で17枚。特徴的なのは、八番から十三番まで6枚続きで集中しているが、十四番以降はトンとご無沙汰で、忘れていた頃、六十二番に登場する。このところ足が遠退いていたバーのママから「近頃お見限りね」と言われたような気になって、「それじゃ」と次に顔を出すように、「大吉」が出てくるのが七十八番と八十番。以降、八十五番から最後にかけて集中している。

一方「凶」は、万遍なく29枚がちりばめられている。「3割近くも『凶』があるのか!」と思わずびっくり。最初に登場するのは、「第三番」で「愁悩損忠良(賢者も時にあはず志を失なヘる)」とあり、「恋愛」のところを見てみると、「支障起りて血涙にむせぶも焦るべからず」とある。そうだ、恋愛は焦っちゃいかんのだ!

引いたおみくじを持って、ご祈祷受付の女性に、「すみません、まとめて払うので領収書を書いてもらえませんか」と尋ねたら、「え~っそんな」と奥に隠れてしまった。

と思いきや、法衣を着たお坊さんが出てきて、笑いながらというか顔を顰めながら「そういうのはお出ししていないので、おみくじ箱に(一万円を)お入れ下さい」と丁寧に断られてしまった。

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