賢者の知恵
2015年12月30日(水) 長谷川滋利

前田健太はメジャーで通用するのか? 「球速問題」と「調整方法の違い」から考える

長谷川滋利の「ベースボールでビジネスが分かる!」②

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【PHOTO】gettyimages

マエケンの移籍先、ビジネスとしてはドジャースがおススメ

日本では前田健太の来季所属球団候補が連日、報道されていますね。12月中旬現在で有力とされているのが、ロサンゼルス(ドジャース)、サンディエゴ(パドレス)、シアトル(マリナーズ)でしょうか。もちろん、他の球団の可能性もありますが、このあたりの球団が現実的ですね。

個人的にはドジャースなんていいと思います。ロサンゼルスの街はアメリカでも特に多国籍なんですよね。人種など関係なく、どの選手も応援してくれますし、チームには常にキューバ人、ドミニカン、プエルトリカン、コリアンもいます。多人種揃ったチームにはいろいろな観客も来るし、彼らが活躍すると街に活気が出るのでやりがいもあります。

なによりもいいのは、ドジャースが野球というビジネスに対して、明確なビジョンを持っていること。FOX社との放映権契約が切れた2013年、ドジャースは即座にタイム・ワーナー・ケーブル社と新契約を結びました。25年間で総額70億~80億ドルの放映料という、メジャー史上でも最大級のものです。

メジャーリーグの利益の大部分は放映権にあります。こうした思い切った契約で分かるように、ドジャースはそのあたりの重要性と将来を見極めることができる球団です。前田投手獲得に1億ドル、なんていう報道もありますが、それを支払ってもしっかり回収できると見込んでのオファーであることは間違いありません。

これについてはよく「スター選手の何億ドルもの年俸や契約金を、どうやって球団は捻出するの?」という質問を受けますが、スター選手がチームに来ればユニホームは売れますし、それによって観客も著しく増える。はっきり言えば容易に回収できてしまうケースがほとんどです。

日本人選手の場合はプラスαも見込めます。例えば、松井(秀喜)選手がヤンキースに所属した際、ヤンキースタジアムには「読売新聞」や「KOMATSU」など、日本企業の看板が掲げられました。そういったマーケット面の相乗効果が期待されている部分はあるでしょう。

また、ドジャースは過去に野茂(英雄)、石井(一久)、そして黒田(博樹)投手を獲得しましたが、どの投手も活躍しました。岩隈(久志)投手を獲得したのも、そのあたりのノウハウがあってのことでしょう。続く前田投手獲得に関して、マーケット面でネガティブな要素はないと言い切っていいと思います。

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