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2016年は「円高ドル安」の年になる?~円安に支えられてきた日本経済を襲うリスク
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12月16日、米FRBが約9年半ぶりに利上げに踏み切った。それに伴いFOMC参加者の多くは2016年に4回の利上げを予想する一方、イエレン議長は慎重かつ緩やかに金融政策を正常化する意向を示した。

新規失業保険申請件数などを見る限り、今のところ米国の雇用環境は堅調だ。市場参加者の中には、先行きのドル高を期待する向きは多い。

しかし、FOMC利上げ決定の後、ドルは主要通貨に対して下落した。円も対ドルで120円台まで上昇した。消費動向等を見ても、米国経済が堅調さを維持できるか不安が残る。2016年は、ドル安・円高が進むリスクがあると見るべきだ。

理論とは違った動きを見せた市場

足許、米国でFRBの再度の利上げ観測があるにも拘らず、ドルは主要通貨に対して下落している。この動きを見ると、必ずしも金融政策が為替相場の流れを規定するメインファクターであるとは言えなくなっている。

過去1年を振り返ると、円は、ユーロ、ポンド、豪ドル、加ドルなどに対して上昇した。ドル・円の相場を見ると、6月に125.6円台まで円安が進んだ。その後は円が上昇し、為替レートは120円台の水準にある。これは2014年末の水準とほぼ同じだ。

この間、市場参加者の多くは、わが国景気が弱含めば日銀が追加緩和を打ち出すと期待していた。一方、米英では利上げへの関心が高まった。内外の金融政策の方向性を考えると、理論的には円の減価が進むはずだ。しかし、市場は金融政策の方向性とは異なる方向に動いた。

現状、金融市場は、FRBが2016年に2~3回の利上げを実施すると予想している。市場の予想はFOMCの内容よりも控えめだ。市場がFRBは想定以上にタカ派だと受け止めるならば、早期に利上げ期待の修正が起きる可能性はある。

それにも拘らず、利上げ後米国の金利は低下している。それは、市場がFOMCの予想の実現可能性に疑問を持っているからだろう。この状況が続く限り、金融政策が為替相場の動向を規定するとは言いづらい。つまり、先行きもドルが上昇するとは限らない。