フォーブス誌の名物企画・富豪番付。その最新版の100位以内にランクインしたのが、この二人だ。一生かけても使い切れない資産を築いた彼らの家族にも、いつか相続税を払う時がやってくる—。
まずは、この表を見ていただきたい。主に公表されているデータを基に、ソフトバンクグループの孫正義会長(58歳)と、ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井正会長兼社長(66歳)の資産状況を推定したものだが、いずれも一代で莫大な資産を築きあげてきたことがわかる。
これだけ莫大な資産になると、もしも相続が必要になった場合、それにかかる税金も気が遠くなるような金額になる。余計なお世話だが、もしいま相続が発生したらどれだけの税金が両氏の家族にかかってくるのか心配になる。
それを試算する前に二人の資産の内訳を見てみる。まずは、現時点で判明している両氏の不動産からだ。
東京都渋谷区にある柳井氏の自宅の敷地面積は約2600坪。延べ床面積は約470坪にも及ぶ。周囲をぐるりと囲う塀の高さは約3・5mもあり、外部から中の様子を窺い知ることはできないが、ゴルフ練習場やテニスコートまで完備されているという。
かたや、孫氏の自宅は東京都港区に位置している。ブリヂストンの創業者・石橋正二郎など、錚々たる人物が居を構えてきた都内でも有数の高級住宅地だ。
約960坪の敷地面積に地上3階、地下1階建ての、白い壁が映える瀟洒な大邸宅。地下には孫氏自ら開発したと言われるゴルフシミュレーターやサウナ、プールも完備され、100人規模でパーティーが可能なサンルームもあるという。
この他にも、孫氏は箱根と軽井沢にそれぞれ別荘を保有していることも確認されている。
孫氏の自宅はすでに夫人の名義になっているが、不動産の規模を見るだけでも、両氏の財産の途方もないスケールがご理解いただけただろう。
保有する株式の配当収入も莫大だ。ここ10年の配当収入を単純計算するだけでも、孫氏が推定で509・3億円、同じく柳井氏は546・8億円もの利益を得ていると思われる。
さらに、それだけの配当収入を叩き出す保有株の時価総額となれば、もはや天文学的な金額だ。柳井氏はおよそ、1兆671億円、孫氏はおよそ1兆4045億円分の自社株を保有している(株価は直近の平均から推計したもの)。
ではこれらの資産に、いったいどれほどの相続税がかかるか、試算してみよう。