賢者の知恵
2015年12月29日(火) 週刊現代

新国立競技場「ホントにA案でいいんですか?」建築・デザインのプロから疑念の声が噴出!

週刊現代
upperline
A案〔PHOTO〕日本スポーツ振興センター 掲載資料より

「ニッポンの顔」をつくるというのに、なんだかいつまでもスッキリしない。今回出てきたA案とB案も、裏にはいろいろあるようだ。国民の願いはただ一つ。誇りを持てる競技場をつくってほしい。

リスクを怖がる人たち

「オリンピックの本来の意義は、目標を持った人々がそのチャレンジ精神を披露することにあると思います。それだけに、今回、新国立競技場の公募が『狭き門』になってしまったことは残念でなりません。

コストと工期ばかりが重要視され、それだけで評価されては、建築家は力を発揮できるわけがない。今回提案された2案はいずれも、'64年の東京オリンピックの際に丹下健三氏が建設した国立代々木競技場のような、世界に誇れるスタジアムには成り得ないでしょう」

そう語るのは、新国立競技場建設計画のコンペへの参加を断念した、神戸大学大学院工学研究科教授の遠藤秀平氏だ。

ようやく決定される運びとなった、新国立案。だが、再選となって応募があったのは、大成建設と建築家・隈研吾氏によるA案、竹中工務店・清水建設・大林組の共同事業と建築家・伊東豊雄氏によるB案だけだった。

'20年に開催する東京オリンピックのテーマは、震災復興であり、新国立はそのシンボルであったはず。実際、ザハ・ハディド氏の案が採用された前回は、政府も広くデザイン案を公募し、46件の応募があった。それがなぜ、今回は2案だけだったのか。

遠藤氏が続ける。

「応募要綱が発表されると、そこには『設計・施工一体型が条件』とあったんです。これは、建築家単体の提案ではなく、施工会社と組んでの提案ではないと応募できないということです。

次ページ 応募条件、悪すぎ
1 2 3 4 5 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事

最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ