サンマ、サバ、イワシの小型化が止まらない
〜日本の水産業が迎えた「危機」

【PHOTO】gettyimages

「今までこんなことはなかった」

「秋には400グラムに成長するサバが、今年は270~280グラム、サンマも140グラム未満の小型のものが大半。今までこんなことはなかった。夏のマイワシ漁も不振だったから、青魚3種が全滅だ!」(都内寿司店主)

漁業関係者の間でいま、衝撃が走っている。今年の漁で獲れた魚が、あまりにも小さく痩せすぎるというのだ。

全国水産加工工業協同組合連合会・中山嘉昭会長がこう嘆く。

「東京だけじゃない。魚が減った、小さくなった、との声は全国に広がっている。平成27年のサンマの水揚げは12万トン前後にとどまり、昭和55年以降の漁獲量で最低だった平成11年の13万4944トンを下回ることは確実だ。大衆魚と呼ばれたサンマが口にできなくなる恐れもある。いま手を打たないと持続可能な漁はできなくなるかもしれない」

温暖化、分布域の変化、餌の減少・・・様々な原因が考えられるが、中山氏は「我が国を含め、各国の漁獲量が『持続可能な資源量』を超えたことが大きな要因だろう」と指摘する。

現在は、漁獲可能量(Total Allowable Catch)を定めるTAC制度により、一定の産卵親魚を残し、再生産可能な資源状況を保つことを目指している。

ところが、その秩序が脅かされている。中国や台湾が、公海上のサンマを狙い始めたのである。近年、中国・台湾のサンマ漁獲量が大きく増加。1千トン級の大型漁船が北海道の東沖の公海をまわり、サンマを水揚げしているのだ。

クロマグロやメバチマグロは激減しているために公海でも獲り過ぎをふせぐための規制がある。だが、サンマは資源にゆとりがある種とみなされ、公海のサンマ漁獲に関する国際的なルールは未整備なまま。台湾、中国の大型漁船の水揚げを規制できない現状がある。

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