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「逆オイルショック」で世界の金融市場が大荒れの可能性!
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デフォルト発生もありうる

16日、米FRB(連邦準備制度理事会)は、事前の予想通り政策金利を引き上げた。先行きの金融政策はデータ、景気への期待などを確認しつつ緩やかに運営される見通しだ。

一方、原油価格の下落に歯止めがかからない。

米国の中小のエネルギー関連企業は、設備投資資金の調達を社債発行に依存していたこともあり、既に米国の社債市場では原油価格のマイナス面が影響を与え始めた。信用力の低い“ジャンク債”の市場では、デフォルトの発生を危惧する声が出ている。

そうした“逆オイルショック”がさらに拡大すると、その影響は金融市場全般に波及することも考えられる。そのインパクトを軽視することは適切ではない。今後の世界経済に、どのように影響するか注意が必要だ。

原油価格は下落基調が続いている。その背景には原油の供給過剰需給がある。OPEC(石油輸出国機構)が生産枠を据え置いた中、イランの原油生産の回復は先行きの原油供給圧力を追加的に高めると見られる。今後も産油国が減産に合意することは容易ではないはずだ。

需要面について、短期間での回復は期待できそうもない。特に中国の減速が続く以上、需給は緩慢なまま推移するだろう。今後、一段と原油価格が下落し、資源国の景況感、エネルギー産業の収益力や財務内容の劣化が進みやすい。

こうした動きは、米国の高利回り(ハイイールド)債券市場の下落につながった。特に、エネルギー関連銘柄の下落は市場平均を上回っている。それが、高利回り債に投資する米国のファンドの運営を行き詰まらせた。これは逆オイルショックの典型例といえる。

原油価格の下落はシェールガス開発に沸いた米国のエネルギー業界にとって大きな逆風だ。数年前、“シェールガス革命”と呼ばれたほどのブームが紙面をにぎわせ、多くの企業がシェールガス開発に資金をつぎ込んだ。その逆回転が徐々に進む可能性がある。