「炭水化物抜き」は失敗する!
最も健康的で確実なダイエット方法は何か

〔photo〕iStock

文・中沢彰吾
(ノンフィクションライター)

体重とともに失った「健康」

食をめぐるほんとうの話』(講談社現代新書)を企画したのは、糖質を制限することで大失敗に終わった、私自身の「炭水化物抜きダイエット」の実体験がきっかけでした。

たしかに私は、2ヵ月で約12キロの体重を落とすことはできました。

しかし、「体重」とともに失ったのが、かけがえのない「健康」だったのです。

とにかく、糖質を制限し始めた当初から、健康への悪影響ははなはだしかった。その顛末については『食をめぐるほんとうの話』の序文でも紹介していますが、後半は、本来のダイエットの意欲よりも、「いったいこのまま続けたら体はどうなってしまうだろう」という、やや危ない興味のほうが強くなりました。

体のあちこちの異常が起こったのはなぜなのか。その疑問を解こうとしたとき、自分が食の栄養や害、効能等について、まるで知識に乏しいことがわかったのです。

確かに現代において食の情報は大量に流布されています。多種多様なダイエット法は元より、どんな食品が血圧を下げるとか、どんな食品を摂ると髪の毛が増えるとか、合成添加物を食すると体が熱くなるとか……。

そうした雑多で偏った情報は、自分の食生活と体調とに向き合ったとき、まるで役に立たないことがわかりました。

ある特定の栄養素を制限したらどうなるのか、野菜とヨーグルトだけで健康を維持できるのか、こんにゃくでかさ増しした食事で体力は維持できるのか、ダイエットで生じるそうした問題をあらかじめ検証するには「体系的な食の知識」がどうしても必要であり、それを踏まえた上でのダイエットでなければ危険だと悟ったのです。