ボクシング、今年の「Fighter of the Year」は誰か
(クリチコがフューリーに敗れたことは紛れもなく今年度は代表する”事件”だった Photo By Kotaro Ohashi)

2015年のボクシング界は、さまざまなドラマと波乱に満ちていた。

3月にはアル・ヘイモンが主宰する地上波の新テレビ興行シリーズがスタート。5月には全世界待望のフロイド・メイウェザーvs.マニー・パッキャオ戦が行われ、9月にはメイウェザーが現役引退を表明した、そして11月にはヘビー級の絶対王者として君臨してきたウラディミール・クリチコがついに王座陥落……。

メイウェザー、パッキャオの時代から次世代への過渡期にいることを感じさせた1年をほぼ終えて、今年度の年間MVP候補にもフレッシュな名前が数多く挙がっている。

BWAA(米ボクシング記者協会)が“Fighter of the Year”にノミネートしたのはゲンナディ・ゴロフキン、サウル・“カネロ”アルバレス、タイソン・フューリー、ローマン・ゴンサレス、そしてメイウェザーの5人。まだ年末に日本で数多くのタイトル戦が開催されるが、2015年の年間MVPがこのクインテットの中から選出されることは間違いないはずだ。

2015年に最も輝いたボクサーは誰だったか。多くの媒体、団体が年末に制定する年間賞発表に先駆け、今回は今年の年間MVPの行方を占ってみたい。

フューリー(WBA、WBO世界ヘビー級王者)
2015年2戦2勝
クリスチャン・ハマー 8R終了TKO
ウラディミール・クリチコ 判定3-0

9年に渡ってヘビー級を支配してきたクリチコを11月28日に破り、全世界を震撼させた。この一戦は“年間最大番狂わせ”に選ばれることは確実。多くのファンがクリチコ政権の終焉を望んでいたのは事実であり、殊勲の星を挙げたフューリーはこそがMVPに価すると考える関係者も少なくない。

マイナス材料は、実質的に2015年の実績がこの一戦だけであること。そして、サイズと足を使って逃げ切ったクリチコ戦が史上に残るほど退屈なファイトであったこと。この2点をどう判断するか。

近年は世界タイトルの形骸化が進んで久しいが、このヘビー級戦は、“内容よりもとにかく結果”が重要視されたという意味でオールドスクールなタイトルマッチだった。意見が分かれるところだが、世界的なニュースを生み出したフューリーが年間MVPに選ばれても筆者には特に異論はない。